【続報】「壁に耳あり、障子に目あり」、ショルダーハックの脅威
この記事は、秋田大の50代の副理事兼課長の男性が勤務時間中にアダルトサイトを閲覧したところを学生が目撃し、その撮影した写真を公開したことで公になったことを扱っています。いつ誰が見ているかわからないということです。特に室内で使うパソコンであるならば、そして個室であるなら危険性は低いでしょうが、スマートフォンやタブレットとなると室外で使うことも多く、不特定多数の人の面前で使いだす人も少なくありません。通勤通学電車等で、スマホを眺めている人も多いのですが、誰かに覗かれているという意識は少ないようです。
この誰かに覗かれているという意識は、当然ですが覗いている人を認識して初めて芽生える意識です。したがって、自分と全く接点のない、単に電車、あるいはその閉じられた空間で偶然集まっただけであり、二度と会うことはない人であり、自分を中心とした社会では人として認識していないことで、覗かれているという意識が芽生えることはないのです。しかし、スモールワールドのたとえを持ち出すまでもなく、自分と直接間接に関係のある人が周りにいる確率は、想像する以上に高いのです。もちろん、新聞雑誌の内容の類であれば問題はありません。個人情報に触れない、何気ない家族、友人のメールやSNSでもさほど問題とならないでしょう。しかし、それが会社の業務メールや関係資料、あるいは個人のプライバシーに関わるものであれば問題です。
「万が一」という言葉があります。言葉通りに受け取れば、1万回に1回ということですが、単に通勤電車だけを考えた場合、1年で250往復したとして、平均20年に1回となります。しかし、これは20年毎に1回だけ、そのような事に遭遇するということでは決してありません。確率的に言えば、百人に数人は数年以内に、そのようなことに遭遇しているといっても良いのです(これは直接間接に関係ある人という定義にもよるので、正確な値をはじき出すことは困難ですが、この程度の値になることは大凡間違っているとは言えないでしょう)。
さらに注意しなければならないのは駅や空港、公園や集会所等の公の場所、あるいはコーヒーショップやコンビニ、さらにはショッピングストア等でのスマホの利用です。先に述べたように、自分が見ているスマホの画面を十分考慮して、覗かれているという意識を持つ必要があります。しかしそれだけでは十分ではありません。たとえば、銀行等での取引や重要な情報へアクセスするためのIDとパスワード等を入力するような極めて大事な場面では、他人に覗かれているかという意識だけではなく、監視カメラで撮影されているということも考えるべきでしょう。確かに公共の場所等での監視カメラの映像は個人情報やプライバシーの尊重から厳重な取り扱い規定のもとに置かれているはずです。しかし映像として記録されていることは確かであり、それが未来永劫残っていることも想定しなければなりません。絶対に悪用されないとは言い切れず、ここでも「万が一」は起こり得るのです。