菅元首相「5000万人避難も紙一重だったのになぜ再稼働?」3.11原発事故から5年、6000人が抗議
東日本大震災、そして福島第一原発から5年目の今日11日夕、原発再稼働に反対する市民団体「首都圏反原発連合」が主催した国会前抗議に、事故当時、首相だった菅直人氏も参加。「東京を含めた福島第一原発から250キロ圏内、5000万人を避難させるまで紙一重だった。もし、ベントが遅れ、福島第一原発の格納容器が破裂し、中の核燃料が一気に外部へと放出されることになったら、そうせざるを得なかった」と、事故発生当時の緊迫した状況について語った。また、「日本の3分の1が壊滅するところだったのに、まだ原発を再稼働させようとしている」と、安倍政権を批判した。その上で、「太陽から地球へ降り注ぐエネルギー総量は現在の人間が使っているエネルギーの1万倍。この1万分の1をちゃんと使えるようになれば、原発も化石燃料もいらないし、エネルギーの奪い合いで戦争することもない」と、脱原発と自然エネルギー活用を訴えた。
この国会前抗議では、主催者発表で約6000人が参加。各野党の国会議員らや、ルポライターの鎌田慧氏、元経産官僚の古賀茂明氏、城南信用金庫相談役の吉原毅氏などが発言した。
福島県双葉郡から東京へ避難してきた亀原幸子さんもマイクを握り、「私の家は原発から1.2キロのところにありました。事故で着の身着のまま逃げてきました。我が家を失い、(自主避難者に無償提供されている)借り上げ住宅への支援も打ち切られる」と、再稼働の陰で見捨てられる原発事故被災者の状況を訴えた。
安保法制に反対する学生団体「SEALDs」の諏訪原健さんも、「事故当時、僕は実家のある鹿児島にいて、正直なところ、原発事故もあまり実感がなかった。でも、原発を意識しないで、当たり前のように電気を使っていた僕のような人々が、(原発事故がおきるような状況に)コミットしてきたのかもしれない。原発事故が身近なことでない人々が声をあげることが大事です」と、呼びかけた。
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