OpenAIの特許を分析する(6):DALL-E編集機能の基本特許
OpenAIがOpenAI Opco LLC名義で出願した特許の解説シリーズの6回目です。今回は、US11983806B1 ”Systems and methods for image generation with machine learning models”(機械学習によるイメージ生成のシステムと方法)です。出願日は2023年8月30日、登録日は2024年5月24日です(Track One(優先審査)請求)。分割出願(18/618,377)が存在します(出願公開前)、米国外の出願は確認されていません。
今まで解説してきたOpenAIの特許は、審査段階で新規性・進歩性の問題に対応するためにかなり実装に近い限定が補正で追加されており、権利範囲はそれほど広くないものが多かったのですが、この特許はDALL-Eの重要機能をカバーしており、かつ、出願時のクレームがほぼそのままで権利化できている広い範囲の特許であるため、競合他社は注意が必要かもしれません。
そのDALL-Eの重要機能とは、イメージ編集機能です。使ったことがある方はご存知だと思いますが、DALL-Eで生成したイメージの選択した領域を、テキスト・プロンプトをベースにして追加したり変更したりできます。下のOpenAIのデモビデオを見るとわかりやすいと思います。生成した犬の画像の領域を指定して、”Add bow”(リボンを追加して)というインストラクションをChatGPT経由で投げることで、犬の画像にリボンを追加しています。
クレーム1の内容は以下の通りです。
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