奄美で記録的短時間大雨、東日本の成人の日は大荒れの天気
ハッピイマンデー制度で早まった成人の日
最初の成人の日は、昭和24年(1949)年1月15日(土)で、以降、1月15日に行われてきましたが、平成8年(2000年)からハッピイマンデー制度が採用され、「1月の第2月曜日」が成人の日となっています。
これは、月曜日を国民の祝日とすることで、定着してきた週休二日制の土日の休みと合わせて三連休としたためですが、これにより、成人の日が1月8日から1月14日まで年によって変化することとなり、それまでの1月15日より早くなっています。
今年は1月9日が成人の日です。
記録的短時間大雨情報の低気圧
成人の日は、西高東低の冬型の気圧配置となることが多いのですが、今年は低気圧が南岸を通り、関東地方は雨か雪かの判断が難しいケースです。
そして、この低気圧は、1月7日に鹿児島県奄美地方で記録的短時間大雨情報と竜巻注意情報を発表させた、活発な低気圧です。
名瀬測候所では、奄美地方に対し、21時9分に竜巻注意情報第1号、22時8分に記録的短時間大雨情報、22時27分に竜巻注意情報第2号を発表しています。
このうち、記録的短時間大雨情報は、レーダー観測とアメダス観測を組み合わせると、22時に鹿児島県十島村付近で約120ミリの1時間雨量があったという内容です。
実際のアメダスによる観測では、十島村中之島で、21時57分までの60分間(1時間)に112.0ミリという猛烈な雨を観測しましたが、奄美地方の記録的短時間大雨情報の発表基準は、1時間雨量が120ミリ以上です。
アメダス観測のみでは、発表基準に達しないとはいえ、夏期でもめったに観測しない猛烈な雨が、1月という真冬に降ったのです。
このような現象を引き起こした低気圧が本州の南岸を通過中です。油断できません。
十島村中之島の1月7日の1時間雨量
19時 0.5ミリ
20時 4.5ミリ
21時 25.5ミリ
22時 111.5ミリ
23時 44.0ミリ
24時 30.0ミリ
1月9日の天気
5日の週間天気予報では、成人の日の東京は「雨のち曇、最高気温13度、最低気温4度」です。本州の南岸を低気圧が通過し、関東地方で降水現象があるのですが、寒気が残っていても、低気圧の通過時に南から暖かい空気が入ってくると予想し、「雨」という予報でした。
しかし、低気圧が予想以上に発達し、北から寒気を引き込むため、関東地方の平野部でも雪の可能性が出てきたとして、「曇一時雨か雪、最高気温12度、最低気温5度」と修正しています。
低気圧が、もう少し発達すれば、もっと北から寒気が南下し、さらに雪の可能性が大きくなります。また、東日本では、低気圧が発達したことで等圧線の間隔が狭くなり、強い風が吹きます。
降水現象が雨なのか、雪なのかで成人式の様相は大きく変わります。
関東地方では、雨か雪か微妙と考え、こまめに気象情報のチェックが必要です。
成人の日の翌日からは、西高東低の気圧配置となり、太平洋側の地方では晴、日本海側の地方では雪という、いわゆる冬らしい天気となります。
この予報の信頼度は、7日先まで「A」と、高いものです(図)。
最近11年間の成人の日の昼間の天気
最近11年間でみても、いろいろな天気の成人式があります(表)。
晴ればかりの日が続くことは良いことではありません。風の日も雨の日もあり、時には嵐や雪の日があって世の中がなりたっています。
成人式の天気がどのような天気であっても、新成人の門出を祝福している天気と思います。
何事も良いことと悪いことがあります。日本は自然災害の多い国であると同時に、自然の恵みの多い国です。
自然災害を防ぎつつ、自然の恵みを享受してゆけば良いと思います。