蕎麦を1度も食べたことがないのに、蕎麦打ち道場へ通う人が続出する、カウンセリングスクール。
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は私が、「蕎麦を1度も食べたことがないのに、蕎麦打ち道場へ通う人が続出する、カウンセリングスクール」というお話しをしたいと思います。
とその前に…。
私は、自分の職業を訊かれたら、「自営業者です」とか「フリーランスです」答えることが多いです。何故かと言うと、「心理カウンセラーです」と答えてしまうと、いきなり悩み事をぶちまけられる可能性があるからです。← それは、私としては避けたいことです。
でも、「自営業って、何やっているんですか?」とか「フリーランスって、何やっているんですか?」と、さらに食い下がって訊かれた場合は、いきなり悩み事をぶちまけられないことを祈りながら、「日々、心理臨床をやっている心理臨床家です」と答えることが多いです。
本当は、
「心理カウンセラーです」と答えたほうがわかりやすいかと思うのですが、
「心理カウンセラーです」と名乗ると、巷に溢れる、
カウンセリングスクールの先生と間違われたり、
セミナーを開いているセミナー屋と間違われたり、
カウンセラー起業塾を開いている塾長と間違われたり、
ただカウンセラーの資格を持っているおじさんだと間違われたり、
他に本職(主婦とか主夫とか会社員)を持っていて、趣味や副業でカウンセラーをやっている人と間違われたりする可能性が高いからです。
※ 「上記がいけない」という意味ではございません、念のため…。
まあ別に間違われても、私に実害はないので本当はいいのですが、「正しく理解されたい」という欲求を持っている私の生まれつき性格から言えば、やっぱり誤解されるのは避けたいなぁ…と思う次第です。← 生まれつき性格を大切にするのは、自分の精神衛生上、とても大切なことです。
私は、心理臨床の合間に、
心理臨床の予習・復習をして、食べて、寝て、運動して、風呂に入って、勉強して、サウナに行って、山に登って、筋トレして、家族と過ごして、友達と会って遊んでいるだけの男です。私の日常は、心理臨床と、それにまつわることで埋め尽くされています。
で私は、よく「カウンセリングスクールを開かないのですか?」とか「カウンセリングスクールを開いてないのですか?」と訊かれるのですが、今も昔も、積極的に、それら開く気持ちはありません。
それは何故かと言うと?
カウンセリングスクールに来る受講生のほとんどが、心病んでいる問題だらけの人であることが多いからです。← もちろん、全員がそうだとは言いません。
馬鹿正直な私は、そんな彼ら彼女らに、思わず本当のことが言いたくなるのです。「いやいや、あなた方は、こんな所で、カウンセリングを習っている場合じゃないですよ。一刻も早く、カウンセリングを受けに行ったほうがいいですよ」と…。
私は、昔、人から頼まれて、格安料金でカウンセリング講座を開いたことがあったのですが、集まって来る人が、今スグカウンセリングを受けたほうがいい、問題を解決したほうがいい人ばかりだったので、本当にビックリしました。← もちろん、全員がそうだとは言いません。
私は、講座を開く度に、
「カウンセリングの勉強は、まずはご自身がカウンセリングを受けることです。そして、カウンセリングの理論を学ぶことです。さらに、カウンセリングの実技演習をすることです」と教えていたのですが、来る人来る人、机上で出来るカウンセリングの理論しか学ぼうとせず、カウンセリングを受けようとか、実技演習をしようとかする人は、たったの5%ぐらいしかいませんでした。(50%じゃないですよ。たったの5%、20人に1人ぐらいです) 私は、そんな経験が信じられず、今もちょっとしたトラウマになっています。
悪いことは言いません。
カウンセリングスクールへ通う前に、まずはご自身がカウンセリングを受けてみて下さい。そのうえで、「カウンセリングがいいなぁ」「カウンセリングって役に立つなぁ」と思ったら、どうぞカウンセリングを習ってみてください。
蕎麦を1度も食べたことがないのに、蕎麦打ち道場へ行って、蕎麦の打ち方を習うなんて、変でしょ? おかしなことでしょ?
多くの人は、カウンセリングを1度も受けたことがないのに、カウンセリングを習い始めるものだから、「あれ、なんか違うなぁ。思っていたのと違う…」となってしまうのです。
さらに、問題を抱えたままの人がカウンセリングをすることは、カウンセリングをする人もカウンセリングを受ける人も、心傷つく可能性が高いので、危険です。避けた方が賢明です。私としては、そのような愚は避けて欲しいと思うので、ここで助言している次第です。
「カウンセリングが何か?」わからないままカウンセリングスクールに何十万円とお金を支払うのは、お金の無駄遣いになる可能性が大なので、避けたほうが賢明です。また私は、辛すぎて、面白くなさ過ぎて、途中でカウンセリングスクールに通うのを辞め、何十万円というお金を失った人を幾人も知っています。
よって、カウンセリングを習いたいのであれば、
まずは自分自身がカウンセリングを受ける。そのうえで、「カウンセリングを学ぶかどうか?」考える。そして、自分自身がカウンセリングを受けることが、何よりもカウンセリングの勉強になることを知っておく。これらのことが大変に重要です。
自分自身がカウンセリングを受けると、いろんなことがわかります。クライアントとして、カウンセリングを受けることの恐れと緊張と期待。そして、カウンセラーのどんな振る舞いや言葉が、「自分の支えになるのか?」「自分の痛みになるのか?」等々。それらのことを「知っているか?」「知らないままか?」が、今後のあなたのカウンセラー人生を大きく左右することでしょう。
私が、「カウンセリングを勉強するには、クライアント体験が何よりも大切」と力説するのは、以上の理由からです。
よって、この記事をお読みのあなたには、「『カウンセリングスクールへ行こう!』と思ったら、まずは自分自身、カウンセリングを受けることが大切でしょう」と言っておきたいと思います。
残念ながら、巷に溢れるカウンセリングスクールは、先生も受講生も、カウンセリングを受けたことがない人であることがほとんどです。それは、蕎麦を見たことも食べたことがない人が、蕎麦の打ち方を教えたり習っているのと、ほとんど同じです。
あなたには、カウンセラー体験およびクライアント体験が豊富なカウンセラーからカウンセリングを学ばれることをおススメしたいと思います。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。