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【うつと不安の違い】【抗うつ薬と抗不安薬の違い】について、現役プロ心理カウンセラーが解説いたします。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「うつの不安の違い」についてお話いたします。

では、早速。
うつとは、気分の落ち込みや憂鬱な気持ちを指します。気持ちが、過去や現在に向いていることが多いです。身体は鉛のように重く、身体を動かすのが億劫…ということが多いです。

いっぽう、不安とは、先のことが心配で仕方がないという状態を指します。気持ちが、未来に向いていることが多いです。身体は、鉛のように重いというよりは、逆に軽く、じっとしていられない、そわそわとして動きたくなる…ということが多いです。

ですから、うつと不安は似ているようで、全く違う感覚です。

ただ、うつ病の方でも、不安を持つ方もいらっしゃいます。そういう方は、抗うつ薬と共に、抗不安薬を飲みます。また、うつ気分と不安な気持ちを交互に持つ方もいらっしゃいます。そういう方は、うつ病ではなく双極性障害の可能性があります。

今言った、お薬のお話ですが、
抗うつ薬は、飲み始めて数日から数週間経たないと効果がハッキリ表れません。基本、毎日飲まないといけません。「毎日、飲まないといけない…」 今言ったことは、非常に重要です。またこれは、「一生お薬を飲まなければならない…」という意味ではありません。副作用は、抗不安薬より強いことが多いです。もちろん「ない」とおっしゃる人もいます。

いっぽう、抗不安薬は飲み始めて15分ぐらいで効果が表れます。よって、不安な気持ちが高まった時にだけ、頓服薬として飲んでらっしゃる方が少なくないです。もっとも毎日不安を感じると仰る人は、毎日、朝起きたときに飲んでらっしゃいますが…。副作用は、抗うつ薬より弱いことが多いです。もちろん「少しばかりある」とおっしゃる人もいます。
よく「私は精神安定剤を飲んでいる」とおっしゃる人がいるのですが、そういう人は、抗不安薬を飲んでいることが多いです。

次に、よく訊かれる質問で、「不安症と恐怖症はどこがどう違うのか?」というのがありますが、不安は漠然とした気持ちなのですが、恐怖症は恐怖を感じる対象がハッキリしています。そのあたりが不安症と恐怖症の違いです。
もっとも、恐怖症の人でも、「恐怖の対象が、いつ表れるのか?」と未来に目を向け、ドキドキするようになったら、それは不安症と言っていいかもしれません。

話は戻って、うつが強い人は、大うつ病という診断名になり、不安が強い人は、不安障害という診断名になります。うつ病と不安障害、両者は違う病気ですが、うつ病の方が不安を訴えることは珍しくないですし、不安障害の人がうつ症状を訴えることも珍しくないです。よって、診断名には、それほどこだわる必要はないかと思います。

というわけで、今日は、「うつと不安の違い」についてお話させていただきました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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