救急車の有料化?選定療養費を取るってどういうこと? #専門家のまとめ
茨城県が、緊急性のない救急搬送の場合、患者から選定療養費として別途費用を徴収する方針を決め、12月2日から運用を開始しました。救急車の有料化ではないのか?選定療養費ってなに?といった疑問がありそうで、この部分を丁寧に説明した記事も少ないので、今回は選定療養費についてまとめます。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
特定機能病院や、一般病床200床以上をもつ地域医療支援病院などに紹介状なしで受診したら、7,000円を選定療養費として徴収することが義務付けられています。これはそもそも初期の診療は地域の病院で、高度・専門医療は基幹病院で行うという外来機能分担を目的にしています。救急外来の受診も同じで、紹介状を持たないで受診した場合には、選定療養費徴収の対象となります。
ただし、休日夜間受診患者や、外来受診から継続して入院した患者からは負担を求めなくても良いとされています。これまでは、救急搬送された患者から徴収するかどうかは各病院の裁量とされていました。
三重県で一部地域において足並みをそろえたことが話題となりましたが、今回は茨城県が全県下で方針をそろえたのがポイントです。
今回の件は救急車の有料化ではありません。そして200床未満の病院はこれまで通りです。大病院への負担を減らそうという目論見とのことですが、「200床未満の病院に搬送してください」などと言われたら搬送業務に逆に負担がかかるのではないか、大病院も窓口でクレームの温床になるのではないかといった懸念はあります。今後どのような変化がもたらされるか着目が必要です。