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台風3号は沖縄に最接近!本州付近は雷雨続くも、やっと猛暑から解放されるところも:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
台風進路図(気象庁HPより)

24日は大型で非常に強い台風3号が沖縄の先島諸島に最接近し、猛烈な風と猛烈なしけ、そして線状降水帯の発生が予想されています。

台風周辺の暖かく湿った空気が本州付近に流れ込む一方で、上空には寒気も流れ込み、雲が発達しやすい状況に。23日までと比べると極端な酷暑はいったん落ち着き、久しぶりに35度下回るところもありそうですが、天気の変化には注意が必要です。

沖縄は住家が壊れるレベルの暴風に

25日にかけての風・波の予想(気象庁HPより)
25日にかけての風・波の予想(気象庁HPより)

沖縄では24日、最大瞬間風速65メートルと、鉄骨でできた建物が変形するおそれがある風が予想され、気象庁からも「住家の一部が損壊するおそれ」と警戒が呼びかけられています。
波も10メートルを超えてくる上に、ここに高潮が加わると予想されています。

25日にかけての降水量予想(気象庁HPより)
25日にかけての降水量予想(気象庁HPより)

さらに、24日午前から夜にかけては線状降水帯が発生するおそれがあるという情報も出ていて、もともと台風の襲来に慣れている地域とはいえ、いつも以上に慎重に行動するようにしてください。

今回、沖縄の雨は27日(土)頃まで長引きそうです。

日本海側や西日本は朝から日差し控えめ

24日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
24日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

台風周辺から流れ込む暖湿気により、本州付近は雲ができやすい環境になりそうです。日差しがさえぎられる分、23日までよりは気温上昇が抑えられる地域が多く、名古屋や大阪などようやく猛暑日から解放されるところも。

ただ、不快な蒸し暑さは続きますし、前線が近づく日本海側中心に激しい雨が降りやすくなるほか、太平洋側でも急な天気の変化には気をつけてください。上図の天気分布予報で晴れエリアが広くなっている関東の平地でも、午後は突然の雷雨のおそれがあります。

北陸・東北の梅雨明けはまだまだ…?

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

このさき沖縄では27日(土)にかけて雨が長引きそうですが、九州~関東では晴れ間が多い状態続くでしょう。ただ、極端な猛暑の日はようやく減ってきそうです。

北陸や東北ではまだまだ梅雨が続く見通しで、平年よりも梅雨明けが遅くなるかもしれません。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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