アイドルおたくのアイドル、「つぼみ大革命」糸原沙也加が考える「アイドルに必要なもの」
吉本興業が手掛けるアイドルユニット「つぼみ大革命」のメンバー・糸原沙也加さん(28)。アイドルおたくという特色を生かした著書「#アイドルあるある推しごと図鑑」を先月上梓しました。文筆業という新たな領域に一歩を踏み出しましたが、そこから見える今後の展開。そして、自身が考える「アイドルに必要なもの」とは。
書くことと自分
今年の春、吉本興業の作家育成プロジェクトがありまして、それをきっかけに本を出すことになりました。
もともとブログを書くのが好きだったりはしたんですけど「つぼみ大革命」という9人グループの中で、自分は何に特化しているのか。そこをずっと考えていて、書くことという部分で挑戦できればと思ったんです。
最初はエッセイとかそういう形も考えていたんですけど、出版社の方々とお話をさせてもらう中で、より多くの方に興味を持ってもらえそうな“アイドルあるある”という形にさせてもらいました。
本を読んでくれたメンバーが「これって、私のこと?」と尋ねてきたりもしてるんですけど、あくまでも一般論だと答えています(笑)。
ただ、本のテーマが“あるある”なので、そうやって読んだ方が「私のこと?」と思ってくれるくらいの方が“あるある”としてのクオリティーが高いということなので、そこは言われれば言われるほど良いのかなとも思っています。
アイドルおたくでアイドル
自分もアイドルが好きなので、いろいろなグループさんを見ます。そこでひかれるのは、メンバー同士が信頼していて、仲が良くて、熱いものを持って同じものを目指している。そういう空気を感じると、すごく応援したくなるんですよね。
なので、自分がアイドルとして活動する時にもそこは大切にしたいと思いますし、あとは普段から自分がアイドルをさせていただいている意識が大事だと思っています。表に出ていないところでも言葉遣いだったり、振る舞いだったり、そこは常に意識するようにしています。
ファンの方々それぞれにアイドルに求めることがあると思います。ファンの目線もあり、自分が実際にそれをさせてもらっている立場の人間として、私なりにアイドルに必要だと考えているものがあるんです。それはパワーだなと。
笑顔とか、仲の良さとか、ビジュアルとか、いろいろと考えもしたんですけど、行きつくところパワーなんだろうなと感じています。
ダンスや歌でもパワーがないとヘナヘナして見られたものじゃないですし、人と触れ合う仕事でもあるので気持ちのパワーも要ります。見てくださる方に元気になってもらうためには、まず自分のパワーが必要だと思いますね。あとは、持ち歩く荷物も多いので、シンプルな意味でもパワーが要ります(笑)。
自分がやるべきこと
アイドルというと20代前半までといった若いイメージがあると思うんですけど、私たちの「つぼみ大革命」は30歳くらいになってきてもいます。
アイドルではあるんですけど、それと同時にそれぞれが個性をしっかりと持っていて、その人たちがグループとして集まった時にすごい力がでる。そんな集団になっていけたらいいんだろうなと思っています。
今回、私は本を書くという機会をいただけたので、せっかくなのでその方面を伸ばしていきたいなと。そして、ゆくゆくはできればですけど、グループの曲の作詞をする。
さらに、コントの台本も今は「3時のヒロイン」の福田麻貴さんに書いていただいてるんですけど、そんなところにも書くことを使って進んでいけたらなと思っています。
そして「つぼみ大革命」自体がかなり独創性あふれるグループでもあるので、いつの日か、グループの話を文字にしていけたらなと夢想しています。それは自分にしかできないグループへの貢献にもなるのかなと。
どんどん思いが広がっていきますけど(笑)、少しでもそういう領域に近づけるように頑張りたいと思います。
(撮影・中西正男)
■糸原沙也加(いとはら・さやか)
1993年2月7日生まれ。大阪府出身。2014年、吉本興業が手掛けるアイドルユニット「つぼみ」(19年に、つぼみ大革命に改名)のオーディションに合格し6期生として加入。先月、著書「#アイドルあるある推しごと図鑑」を上梓した。