加藤豪将が7試合目に初安打。過去には、デビュー5年目にようやく初安打の選手も
4月27日、「8番・二塁」として出場した加藤豪将(トロント・ブルージェイズ)は、4回裏にメジャーリーグ初安打を記録した。打球は左中間へ飛び、加藤は二塁に達した。
この日は、出場7試合目。先発出場に限ると、前日に続く3試合目だ。初安打までの7打席は、4打数0安打、2四球、犠打1本、1三振だった。途中出場の3試合は、いずれも代走として起用され、打席には立っていない。デビューから5打数目の初安打は、そう遅くない。
なかには、メジャーリーグ5年目にようやく初安打を記録した選手もいる。テランス・ゴアは、2014年9月2日にデビューし、2018年9月8日に初めてヒットを打った。
2015~17年も、多くはないとはいえ、メジャーリーグの試合に出場している。初安打は、通算54試合目だ。もっとも、それまでに23盗塁を記録していたことからもわかるとおり、出場のほとんどは代走。初安打を記録したのは、13打数目だ。加藤と比べても、10打数も多くはない。
ゴアは、2014~20年にメジャーリーグで計102試合に出場し、打率.224(67打数15安打)と出塁率.325、40盗塁を記録している。長打は、二塁打2本と三塁打1本だ。現在はどの球団にも在籍していないが、引退したのかどうかはわからない。年齢は30歳(6月で31歳)。昨シーズンは、アトランタ・ブレーブス傘下のAAAでプレーした。
また、過去には、こんな選手もいた。1974~75年にオークランド・アスレティックスで計105試合に出場したハーブ・ワシントンは、一度も打席に立つことなく、キャリアを終えた。こちらは、DHならぬDR。オーナーのチャーリー・O・フィンリーが、代走専門の選手として、大学でベースボールをプレーしていなかった――陸上競技とアメリカン・フットボールの選手だった――ワシントンと契約した。フィンリーの「業績」からすると、スピードを買ったというよりも、話題作りの意味合いが大きかったのではないかと思われる。
ワシントンは、通算31盗塁を記録したが、失敗も17度を数えた。一方、ゴアは、40盗塁を決め、失敗は9度だ。それぞれの盗塁成功率は、64.6%と81.6%。ゴアの数値もずば抜けて高いわけではないが、相手が盗塁を警戒するなかで――ゴアが塁にいれば、そうしないほうがおかしい――この成功率は優秀と言ってだろう。