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サイクルヒットを狙うべきではなかった!? 三塁で刺されて達成できず、そこで試合は終了

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロビンソン・チリーノス(ヒューストン・アストロズ)Aug 21,2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月21日、ロビンソン・チリーノス(ヒューストン・アストロズ)は、4安打を記録した。最初の打席は二塁打、2打席目は単打、3打席目はホームラン(写真はホームイン直前)。サイクルヒットにリーチをかけた4打席目は、右中間へフライを打った。ライトを守るトラビス・デメリット(デトロイト・タイガース)がダイブしたものの、打球には届かず。チリーノスは二塁を回り、三塁へ向かった。

 チリーノスにとっては、557試合目に巡ってきた、サイクルヒットのチャンスだ。これまで、あと1本出れば達成という打席は、一度もなかった。2015年5月16日も、三塁打を除く3種類の安打を打ったが、その後、打席は回ってこなかった。

 ただ、今回も、サイクルヒットは達成できなかった。センターのハロルド・カストロが素早く拾って返球し、ボールは二塁手のゴードン・ベッカムを経由して、三塁手のダーウェル・ルーゴへ。下のツイートの写真からもわかるように、チリーノスはアウトになった。

 しかも、あと一歩のところで、サイクルヒットを逃しただけではない。このアウトによって試合は終わり、アストロズは1対2で敗れた。キャリア初の1試合4安打とはいえ、チリーノスにとっては、喜べない結果となった。

 なお、この試合で、アストロズの選手が三塁で刺されたのは、チリーノスが最初ではなかった。8回裏、一塁走者のホゼ・アルトゥーベがスタートを切った後、アレックス・ブレグマンは遊撃へゴロを打った。併殺を免れたと思いきや、アルトゥーベは二塁で止まらず。タイガースの内野陣は6-3-5(遊撃手→一塁手→三塁手)とボールを転送し、アルトゥーベを刺した。チリーノスのアウトと比べるとタイミングは微妙で、A.J.ヒンチ監督はチャレンジを要求したが、判定は覆らずに併殺が成立した。2イニング続けて、アストロズはイニング最後のアウトを三塁で記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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