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ダラダラ食べる子には原因があった!保育士が教える「大人と一緒に食べ終わるための3つのポイント」

ぽん先生保育士

こんにちは!ぽん先生です。

「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、現在子育て世代を集めてオンライン講座を開いたり、育児に関する情報の発信を行ったりしている現役の保育士です。

今回はダラダラと食事をする子が、大人と一緒に食べ終わるための方法についてご紹介していこうと思います。

食べるの遅い子のあるある

保育園で働いていて「保護者の悩み第1位」と感じるのが、子どもの食事問題です。

特に食べる事に時間がかかってしまう事で悩んでいる方が非常に多いように感じます。

・食べるのが遅くて、毎回食事に1時間もかけている。
・気づけば手が止まっていて、すぐにぼーっとする。
・苦手なものはいつまでも飲み込めずにいる。

こんな経験はありませんか?

これらはほとんどの保護者が通る道かもしれません。

そして私もそうでした。

ところが、この問題。食事の方法を少し変えて見るだけで、驚くほど簡単に解決できるのです。

たった3つポイントさえ知っていれば、子どもと一緒に食事を始めて、一緒に「ごちそうさま」の挨拶ができますよ。

それでは見ていきましょう。

ササッと食べるための3つのポイント

ダラダラと食事をしないためには、3つのポイントを押さえておく必要があります。

それは
①食べる時間を決める
②食べきれる量を用意する
③頑張りを認める

という事です。

いかがでしょうか。難しいと感じましたか?

それでは、1つずつ説明していきましょう。

その1
食べる時間を決める

「最低でもこのぐらいの食事量は食べてほしい」と思うと、どうしてもダラダラと食事を続けがちです。

「あと5口で終わるからね」

「あと4口」

「ほら、たった3口で終わるんだよ?」

こんなことをしているうちに、あっという間に1時間が経ってしまいます。

食事が遅い原因の1つに、食事に興味がないことがあります。

そんな興味も無いようなことを、毎日3回、合計3時間も無理矢理に続けているとどうなるでしょうか。

ますます嫌になるばかりです。

つまり、時間をかけることで食べる量は多少増えても、早く食べられるようにはならないのです。

目安として、食事は年齢にかかわらず30分程度が適当でしょう。

それ以上は子どもにとって苦痛となり、逆効果となってしまうため、この時間を目安に終わるようにしてください。

30分間で終わらなければ、食事を完全に切り上げてしまうのが良いでしょう。

ただし、あと2,3分程度延長して食べ終わるのであれば、時間を延ばして食べきってしまっても良いです。

30分間を遊んで過ごしてしまい、少量しか食べられず、次の食事までにおなかが空いて辛い思いをするのも1つの経験です。

間食は一切与えずに、次の食事でしっかりと食べることを説明しましょう。

その2
食べきれる量を用意する

食べる時間を30分と決めても、その時間内に食べきれず、残すことが常習化してしまっては好きなものだけを食べて終わってしまいます。

それでは時間を決める意味がありませんね。

そういった事を防ぐために、食事は30分で食べきれる量をご用意ください。

「それだと、ものすごく少ない量になりますよ!?」

確かにそうかもしれません。

しかしながら、食べきれる量だけを用意するということで、子どもたちは食事に対して安心感を得られるのです

それは「これなら食べられる!」と、食事に対して自信を持つことに繋がっていきます。

反対に、食べ切れないと感じる量だと、見ただけで「うわっ!」と1歩引いた状態になってしまいます。

すると、もうそれだけで「全部食べるぞ」という気がなくなってしまうのです。

それほど見た目が子どもに与える印象は大きいという事です。

特に最初のうちは極端に量を減らしてみてください。

すると、自分から「もっと食べたい!」おかわりを求めてくることもよくあります。

ただし、実際のところは「普段盛り付けている量から少し減らしただけなのに、一瞬で食べきった!」ということも少なくありません。

量そのものにこだわるよりは、その子にとって「これなら全部食べられそう!!」と思えるかどうかがポイントです。

その3
頑張りを認める

何に関しても共通することですが、まずは頑張りを認めることが大切です。

「認める」ということは、努力したその過程を受け入れていくことであり、

・食べられたか
・残してしまったか

という結果についてではありません。

頑張っているその過程に注目することで、それが次回の意欲へと繋がっていきます。

つまり、必ずしも食べ切る事を前提にしなくて良いのです。

もし、全部食べられなかった時には、こんな言葉をかけてあげたら良いでしょう。

「全部は食べられなかったけど、昨日よりはいっぱい食べられたね」
「あと少しで食べられそうだったね」

こんな言葉が、子どもたちにとっては何より嬉しい事であり、それが子どもにとって大きな力となるのです。

「食べた」「食べられなかった」という結果ではなく、「日々、あなたは成長しているんだよ」ということを自覚させてあげることで、できた時と同じように、次へと繋がっていくでしょう。

なぜそれで変わる!?

そもそも、ご飯がなかなか進まない原因は、食事が楽しくないからです。

この食事に対する苦手意識は大きく2つの理由に分かれます。

①味が嫌だ
②見た目が嫌だ

味が嫌で食べられないのであれば、それは仕方ありません。

何しろ、一度は「食べてみよう!」と挑戦しているのですから、それでダメだったとしても、それを責めるのはしない方が良いでしょう。

しかし、問題があるのは②の方で、こちらが95%以上を占めるといっても過言ではありません。

なぜなら、そもそも口に入れてもらえなければ、どんなに美味しいものでもその美味しさは絶対に伝わらないからです。

「美味しいよ」と無理やり口に押し込んだところで、ますます食事が嫌になるだけですよね。

つまり、見た目をクリアしないことには食事の苦手意識はいつまでも改善されないのです。

それだけ見た目が子どもに与える影響は大きいということですね。

そして先程説明した通り、見た目というのは

・知らない食材
・料理の色合い

のような事だけでなく、

・盛り付けの量

という気付きにくい要素も関係しています。

そのため、ここを改善することで、多くの子が「食べてみよう」と思えるようになっていくのです。

それに加えて、苦痛を感じない時間程度の時間に食事をとどめておくことで、子どもたちの中で少しずつ食事が楽しい時間に変わっていきます。

楽しく食べられるようになってくれば、「色んな食べ物に挑戦してみよう」という気持ちも芽生えてくるものです。

そういった良い流れを作っていくために、先程の関わり方がポイントとなってくるのです。

まとめ

今回はダラダラと食事をする子が、大人と一緒に食べ終わるための方法についてお話ししました。

子どもたちが30分で食事を終えるために必要なポイントは全部で3つです。

①食べる時間を決める
②食べきれる量を用意する
③頑張りを認める

ダラダラと食事をしていると、どうしても叱ってしまいがちですね。

しかし、それが理由で食事が嫌いになってしまっては、元も子もありません。

大切なのは、「食事の環境」「大人の関わり方」を見直し、子どもたちが安心できるようにしていく事です。

そして、その中で食事時間を楽しく過ごせるようになっていくのです。

時間をかけるやり方ではないため、食事で困っている方はぜひ試していただけたらと思います。

保育士

東京都で働く保育士。「少しでも楽しい子育てを!」をモットーに活動中。

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