北朝鮮の「韓国公務員射殺事件」でまた下がった文大統領の支持率
北朝鮮による「韓国国家公務員射殺事件」が起きた直後に韓国の24時間ニュース専門チャンネル「YTN」が大手世論調査会社「リアルメータ」に委託して行った世論調査(9月21-25日)によると、文在寅大統領の支持率は前週(9月第3週)の46.4%よりもさらに1.7%下落し、44.7%。依然として50%以下である。一方、「支持しない」は1.4%アップの51.5%で、前週よりもその差がさらに開いた。
ちなみに5月の第1週には積極的な新型コロナウイルス感染症対策が評価され、支持率は71%まで跳ね上がっていた。また、6月の第1週でも59.1%もあった。
7月の第1週に49.8%と、50%台を割ってから「支持」が「不支持」を下回る傾向が続いていた文大統領の支持率は8月の第4週で一旦は「支持」49%対「不支持」46.7%と、「支持」が上回ったものの翌週(9月の第1週)で同率になったのを最後に9月の第2週からは再び「不支持」が「支持」を逆転していた。
政権与党の「共に民主党」(174議席)の支持率は34.1%。前週よりも1.1%下げたが、野党第一党の「国民の力」(103議席)も同様に支持率を落とし、0.4%マイナスの28.9%と、依然として与党との差を詰めることができない。
「国民の力」は与党の地盤である全羅道で4.3%、中道層の多い忠清道で4.8%支持率を上昇させたが、意外にも保守の牙城である大邱・慶尚北道では逆に5.5%下げていた。
世代別では「共に民主党」は30代で4.1%支持率を伸ばしたが、20代では逆に4.9%も落している。一方、「国民の力」は70代以上では4.2%アップさせたものの、20代では与党よりも悪く、6.2%も下落している。
その他の政党では与党の弟分である「開かれた民主党」(3議席)が6.2%、保守系の「国民の党」(3議席)が5.8%、進歩系の「正義党」(6議席)が5.3%となっている。
なお、もう一つの大手世論調査会社「韓国ギャラップ」が9月22日から24日にかけて行った世論調査では文大統領の支持率は前週よりも1%ダウンの44%で、「不支持」は逆に3%アップの48%だった。
「不支持」の理由として「全般的に物足りない」(14%)、「経済・民生問題の解決不足」(10%)、「不動産政策」(10%)、「人事問題」(10%)が順に挙げられていた。
政党支持率は「共に民主党」が37%、「国民の力」が21%と、「リアルメータ」の調査よりもその差は大きく開いていた。
その他の政党では「正義党」が5%、「国民の党」が4%、「開かれた民主党」が3%となっていた。