山口県配備イージスアショアは「ブースターを発射場内に落とす」運用
8月29日に山口県阿武町議会に対する第3回目のイージスアショア配備説明会で「SM-3迎撃ミサイルのブースターは発射場内(現在の陸上自衛隊むつみ演習場)に落とす」という運用であることが分かりました。
同様の説明は秋田県秋田市には行われていないようで、海まで1kmと近い秋田市のイージスアショア配備予定地の新屋演習場と、海まで最短でも10kmはある山口県むつみ演習場では運用方法が異なる可能性があり、秋田配備のイージスアショアではブースターを海に落とす予定なのかもしれません。
イージスアショアで運用されるSM-3迎撃ミサイルは推進部分が三段式の構造で、第一段ブースター、第二段ロケットモーター、第三段ロケットモーター、そしてキネティック弾頭に分かれています。第一段ブースターはMk72と呼ばれるアメリカ製で、この部分だけで重量は約700kgもあり、推進剤を使い切っても約250kgの残骸が落ちてくることになります。Mk72ブースターの燃焼時間は約6秒です。
内陸に配備する欧州イージスアショアも第一段ブースターを地上に落とさざるをえない運用です。配備場所のルーマニアのデベセル、ポーランドのレジコボは共に飛行場の跡地を利用しており、日本配備予定地よりも敷地面積は広くなっているので、第一段ブースターはより安全に敷地内に落とせるかもしれません。ただし第二段と第三段のロケットモーターは敷地外に出て行くので、欧州配備では内陸の何処かに落ちて来る可能性があります。日本配備ならば第二段と第三段は海に落ちることになります。