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臨床獣医師の悩み コロナ禍で3密を守りソーシャルディスタンスを保ち愛を届けたいけれど…

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

新型コロナウイルスの感染拡大の防止のために3密を守りながら仕事をしています。

待合室で、飼い主が多数にならないようにも気を配っています。予約時間を調整したり、できるだけ車で待ってもらうなどの工夫をしたりしていますね。動物病院でクラスターが出ないように、気をつけなければなりません。それで、臨床獣医師として、悩みがあります。そのことを今日は、お話します。

臨床獣医師の悩みとは?

私たちの悩みは、飼い主の声が聞き取りにくい、ということがです。

なぜ、聞き取りにくいか。

・3密を避けるために、窓が開いています。

窓が開いているので、診察中や待合室に風が流れることになります。飼い主に対して追い風のときは、私のところに、声が届きやすいのですが、反対のときは、飼い主の声は後ろに流れます。

・ソーシャルディスタンスを保っています。

以前なら、聞こえにくければ飼い主の傍に行けばよかったのですか、そういうわけにもいかないので。

・飼い主がマスクをつけています。

撮影筆者 マスク
撮影筆者 マスク

はっきり大きな声を出す人なら、いいのですが、マスクをつけて小さな声で話すと聞きとりにくいです。それにコロナ禍になり、若い女性も犬や猫を飼うようになり、腹筋が薄い人の声が届きにくいです。

・動物病院なので、犬や猫が鳴くときがあります。

静かな空間だといいのですが、動物病院では鳴き声が飛び交っていることもあります。

・獣医師の私はフェイススシールドをつけているときがあります。

撮影筆者 フェイスシールド
撮影筆者 フェイスシールド

フェイスシールドをつけていると声が届きにくいことがあります。

・受付に透明なビニールのカーテンがあります。

撮影筆者 ビニールのカーテン
撮影筆者 ビニールのカーテン

飛沫を予防するために(以前はなかったのですが)、カーテンがありますので、余計に飼い主の声が届きにくいです。

動物は話せないので。

私たちが相手にしているのは、動物なので自分から話してくれません。どんな様子だったか、飼い主から尋ねます。通常だと、普段とどのように様子が違うかを細かく尋ねて、それから診察につなげます。

飼い主へのお願い

上記のような事情で、コロナ禍になって以前より飼い主の声が通りにくい状況があります。以前より少し声をあげていただくと、私たちは助かりますので、よろしくお願いいたします。

話すのが苦手な人、大きな声を出すのが難しい人は、事前に電話で説明してもらうか、メールを受けてつけているところに対してはメールをしていただくと助かります(もしかしたら、これは接客業に関わる多くの人が感じていることかもしれません)。

まとめ

コロナ禍で、飼い主は不安になっている人も多いと思います。

そんな中、犬や猫が病気になったら心配ですね。そんなときに、私たちは飼い主の傍に行きたいのです。でも、ソーシャルディスタンスを保ちつつ愛を届けたいです。いままでと環境が変わっていますが、そうした中でもペットの病気がよくなり、飼い主にも健康でいてもらいたいです。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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