今年のボジョレーはグレートヴィンテージ よい気候が育んだ最高のワイン
いよいよ、お待ちかねの11月第三木曜が近づいています。
そう、ボジョレー・ヌーボーの解禁日が迫っているのです。日本は世界で最も早くボジョレー・ワインが解禁になる国。加えて、新茶・新米に目がない初物好きの国民ですから、盛り上がるのも必然です。
それでは、最も気になる、今年のワインのお味はどうなのでしょう。
2015年はグレートヴィンテージ
ボジョレー・ヌーボーの火付け役である、ジョルジュ・ド・ブッフ氏によると、今年のワインは、歴史に刻まれるほどの出来と賞賛されています。また、近年のグレートヴィンテージと言われた2009年にも匹敵する味とも言われ、今年のボジョレーは、なかなか期待できそうです。
美味しいワインを作る天候とは
良いワインは、果実味と酸味に加え、苦味と渋味がバランスよく溶け合っています。果実味が強いだけでも美味しいワインですが、酸味がないと味に締まりがなく、また良い熟成もしないのです。
では、ぶどうの糖度と酸度を最大限に引き出す天候とは一体なんでしょうか。
糖は、光合成によって作られます。つまり、日射が多いと植物が日中盛んに光合成を行い、甘くなるのです。一方の酸味は、植物の呼吸によって作られます。夜間に気温が冷え込むと、より酸味のあるワインが作られるのです。
また、雨は、ぶどうの栽培にとって重要な要素ですが、ぶどうは比較的少しの水で育つ植物です。また、収穫直前に雨が降ると、ぶどうの実が水を吸うために、水ぶくれして、味がぼやけてしまいます。ですから、雨は多すぎず、少なすぎず、ぶどうの生育期間に適度に降ることが理想です。
今年のフランスは日射量が豊富、かつ高温が続き、雨も適度に降ったために、糖度と酸味の乗った、最高のぶどうができたというわけです。
ボジョレー・ヌーボーはお祭り的要素だけではなく、その年の指標とも言えるワインです。よい天候によって、今年のフランスワインの出来は非常に良いので、愛好家はこぞって買いだめに走るなんてことも考えられます。それに、良いヴィンテージは続くことが多いので、もしかすると2016年も期待できるかもしれません。