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【江別市】戦前にあった競馬場の存在を今に伝える「競馬場通り地下歩道」

赤レンガ江別市情報サイト「えべナビ」編集長(江別市)

前回の飛鳥山公園の記事にて、かつて飛鳥山に競馬場があったことをお伝えしましたが、国道12号には競馬場があったことを示す地下歩道が存在します。ひじょうに地味な地下歩道の現在の様子をリポートします。

※撮影は2023年6月。

国道12号の鉄道踏切跡に残る地下歩道

江別市8条7丁目・8丁目を通る国道12号沿いに、「競馬場通り地下歩道」があります。

この地下歩道がある付近の国道は不自然なカーブを描いているのですが、その理由はかつてここに「王子製紙(現・王子エフテックス)江別工場専用線」という貨物路線の線路が存在し、その線路を避けるように道路が建設されたため曲がっています。専用鉄道の廃止は1986年(昭和61年)5月6日。その後線路が撤去されたため無用なカーブとなりましたが、そのままの線形を維持して現在に至っています。

踏切があった頃はこの地下通路を利用する人は多かったのでしょうか。

ちなみにJR江別駅前通り(本町通・公園通り)と国道との交差点にも地下歩道が存在しますが、そちらの歩道とは繋がっておらず、全く別の地下歩道となっています。

競馬場通り地下歩道の出入口階段は全部で3箇所あり、こちらは東側(8条7丁目)の階段です。

「競馬場通り地下歩道」と書かれた扁額。

こちらは国道南側(8条8丁目)の出入口。タイルがかなり剥がれ落ちています。

8条8丁目側出入口の扁額。

国道南側の出入口階段がある付近(条丁目側)から飛鳥山公園方向を見た写真。手前の横切っているのが国道12号で、奥に伸びているのが「競馬場通り」です。写真右奥に見える大きな建物は江別第一小学校。

写真左側には、反対側の地下歩道出入口が見えます。

というわけで、地下歩道をくぐって向こう側へ行ってみましょう。

競馬場通り地下歩道内部の様子

階段を降りると、条丁目側の2つの通路が合流します。

真っ直ぐ延びる地下歩道。写真だと薄暗い雰囲気ですが、蛍光灯の数は多めで意外と明るいです。

この地下通路がいつ頃できたのか分かりませんが、貨物線が現役だった頃から存在するので、かなりの年代物だと思われます。が、通路内部は改修されているのか、そこまで古い感じはありません。

壁に埋め込まれた非常防犯押ボタン。

また、壁には「ペットのフンはお持ち帰りください」と書かれたプレートが貼られていました。

地下通路のほぼ中央にある謎の扉。どこへ通じているのでしょうか。

反対側へ通じる階段。

ところで地下通路内の壁のタイルはレンガ色ですが、各出入口部分のみ白色タイルとなっていますね。

国道西側(江別市緑町西1丁目)の出入口階段の様子。こちら側の出入口は一箇所のみです。

緑町西1丁目側の扁額。

飛鳥山公園の競馬場は昭和8年(1933年)に廃止(移転)されていますが、令和の現在まで「競馬場通り」が残されているのはスゴイことですね。これからもずっと残っていてほしい名称の一つです。

江別市情報サイト「えべナビ」編集長(江別市)

北海道江別市在住。二児の父。月間100万PV超の地域情報サイト「えべナビ」編集長として地域の役に立つ情報を毎日お届けしています。10年ほど前に東京から北海道へ移住した経験を持つ。趣味は鉄道駅巡りでJR北海道全駅下車済み。江別市徘徊がライフワーク。

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