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愛子さま、20歳を迎えると初公務へ ご負担はどうなるか

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
雅子さまと愛子さま(写真:ロイター/アフロ)

 愛子さまは20歳のお誕生日を迎える12月1日以降、いよいよ成年皇族として公務を始められる。公の場にお出ましになった愛子さまの一挙手一投足に、日本中の熱い視線が集まることだろう。

 その初公務はどのようなものが考えられるのか、予想してみた。

■愛子さまの初公務は?

 皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、年内に愛子さまは皇居内で重要な儀式に出席されるかもしれないと話す。

「成年皇族となられた愛子内親王殿下は、宮中祭祀への参列資格を得ます。12月中旬の天照大神を祀る賢所に御神楽を奉奏する『賢所御神楽の儀』、12月25日の『大正天皇例祭の儀』に参列される可能性はあります。また、12月31日に行われる皇族や国民のためのお祓いの行事『大祓(おおはらい)』には皇族の代表が参列することになっていますが、今年は愛子内親王殿下が代表におなりになるかもしれません」

 宮中祭祀は、国家と国民の安寧を祈って執り行う、皇族としての大切な務めであるが、これは皇室の私事と位置付けられており、公務にはあたらない。

 では、愛子さまの初公務はいつになるのかというと、現在のところ報道されているのは、来年1月1日に皇居・宮殿で行われる「新年祝賀の儀」である。皇后陛下を始め女性皇族方は、最も格式の高い正装であるローブデコルテに身を包み、勲章やドレスグローブ、ティアラを着用され、華やかさに目を奪われるほどだ。

 そして以前と違うのは、会場となる宮殿・松の間に入られる順番だ。これまでは天皇皇后両陛下、秋篠宮皇嗣同妃両殿下、眞子さま、佳子さまの順番だったが、来年からは秋篠宮皇嗣同妃両殿下の後、佳子さまの前の順に愛子さまが登場されることになる。

 成年となった愛子さまが、初めて親子三人でのぞまれる公務は、天皇家のプリンセスにふさわしい場となることだろう。

■愛子さま初の地方公務は春休み中?

 今後の愛子さまの公務について、山下さんはこう指摘する。

「愛子内親王殿下は大学生ですから、基本的には学業優先で、公務は学校が休みの時に限定されると思います。地方公務に関してですと、植樹祭など天皇の4大行幸啓といわれているもの以外で、ご両親が視察などで地方を訪問される際に、ご一緒される可能性は、リモート訪問を含めてあると思います」

 となると、近い日程で考えられるのは、冬休みか、春休みである。当面はコロナ禍のために地方公務は難しいが、もし収束のめどが立ってきたら、春休みに愛子さまが初の地方公務となる可能性も出てくる。

 2021年は東日本大震災から10年の節目であったが、両陛下はオンラインを活用したリモート訪問であったため、3月11日前後に直接訪問されることになれば、愛子さまを伴うことも考えられる。

 被災地へのご訪問は、国民に寄り添う皇室の役割を示しており、現地を訪れて人びとと言葉を交わすご経験は、愛子さまにとって今後の公務の指針となられるに違いない。

■眞子さまの公務を引き継ぐものはある?

 先月、結婚によって皇室を離れた眞子さんは、「日本工芸会総裁」と「日本テニス協会名誉総裁」の役職を務め、さらに毎年出席する式典があった。

 「日本テニス協会名誉総裁」は妹の佳子さまに引き継がれたが、「日本工芸会総裁」や式典については、現在のところ、明確にされていない。

 眞子さんの公務を、愛子さまが引き継がれる可能性もあるのだろうか?これについて山下さんは…

「眞子さんが務めていた役職は、皇族のどなたかが引き継ぐ可能性はあります。愛子内親王殿下が引き継がれる可能性もゼロとはいえませんが、ほかの総裁、名誉総裁職も含めて、就任されるとしても卒業されてからでしょう。当分は学業に支障のない範囲で、単発の公務にお出ましになると思います」

 愛子さまが出席される公務としては、ご本人が興味のある分野が有力だという。動物が大好きで保護犬の由莉を家族の一員として可愛がっていることから、盲導犬やセラピー犬などの普及活動を促進するイベント、あるいは殺処分をなくす活動など、動物や福祉に関係し、大学を卒業後もライフワークとして取り組まれることのできるものが考えられる。

 愛子さまが溌剌と公務にまい進される日は、もうすぐ訪れることだろう。

「愛子さまとオランダ王女、15年続く静かな交流とは? お立場を巡る行動で共通点も」https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20211124-00268669

「もうすぐ20歳の愛子さまの実像は? 関心事には両陛下からの意外な影響も」

https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20211125-00269284

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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