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ハーパーもマチャドも、オールスターに選ばれない!? どちらも契約3億ドルの1年目

宇根夏樹ベースボール・ライター
左からT.フレイジャー、B.ハーパー、M.シャーザー、A.リゾー 7/14/15(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨オフのFAビッグ2は、いずれも超大型の契約を手にした。ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)の13年3億3000万ドルとマニー・マチャド(サンディエゴ・パドレス)の10年3億ドルは、FAだった選手による契約総額の歴代トップ2だ。延長契約を含めても、歴代2位と4位に位置する。

 けれども、今年のオールスター・ゲームには、2人とも選ばれそうにない。

 ファン投票の中間発表(6月17日)で、ハーパーはナ・リーグ外野手の10位、マチャドはナ・リーグ三塁手の6位にいる。この投票は6月21日までだ。外野手は上位9人、それ以外のポジションは上位3人に入らないと、スタメン野手を決める「プライマリー・ラウンド」の投票には進めない。

 ハーパーは9位までに滑り込むかもしれないが、マチャドが3位以内に入る可能性は低い。現時点で3位とは30万票以上の差があり、マチャドはここまで約20万票しか得ていない。ハーパーにしても、プライマリー・ラウンドで3位以内は難しそうだ。最初のラウンドの得票は持ち越されないが、現在の1位と2位は200万票を上回り、3位も120万票を超える。それに対し、ハーパーは50万票に届いていない。

 もちろん、ファン投票でなくても、リザーブとして選ばれる道もある。こちらは、選手の投票とコミッショナー事務局の選出によって決まる。ただ、32人のロースターには、全15球団の選手を含まなければいけない。平均すると1球団2.13人だ。なお、これまでのファイナル投票は、今年からなくなった。

 ハーパーの打率.247、出塁率.356、12本塁打は、いずれもチームメイトのリース・ホスキンスに劣る。その上、フィリーズでは、先発投手のザック・エフリンが防御率2点台を記録し、クローザーのヘクター・ネリスも好投している。また、マチャドの13本塁打は、チームメイトのハンター・レンフローより10本少なく、フランミル・レイエスにも6本差をつけられている(これを書いている途中に、マチャドは14本目のホームランを打った)。パドレスでクローザーを務めるカービー・イェーツは、24セーブを挙げて一度も失敗せず、1点台前半の防御率を記録している。

 ハーパーのオールスター・ゲーム選出は、これまで6度を数える。マチャドが選ばれた4度のうち、昨年を含め、ハーパーが選ばれなかった年はなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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