【土浦市】65年間、ありがとう!給食・学校売店でおなじみの「栄パン」2022年3月をもって販売終了
昭和32年に「栄パン」を法人化して今年で65周年。土浦市民はもとより、土浦の高校に通学していた人にはおなじみのパン屋さんが2022年3月25日で営業を終了しました。私たちの思い出の中で、そして景色の一部となってこれからも、いつまでも。この記事では、「栄パン」の懐かしいパンたちをご紹介します。
学生時代の思い出を語るときに欠かせない「栄パン」御三家
昭和、平成、令和と、いつの時代も変わることになく人気のあった「栄パン」の御三家的な存在のパンをご紹介します。
発売から30年!超ロングセラー「ドレドレ」
「栄パン」の菓子パンといえばこれ! カスタードクリームが生地の間に挟み込まれたパンは見た目よりも甘さ控えめ。
カスタードがはみ出てかりかりに焼かれた部分が多いのを買えたとき、私たちは「当たりパン」と呼んで盛り上がりました。
「栄」印でおなじみの「デカメロン」
表面に粗めのザラメがたっぷりとかかったメロンパンは「栄」の文字がインパクト大でした。1個でお腹がけっこう満たされるので私は「貧乏パン」と呼んで、お財布の中が寂しいときの救世主でした。
おしゃれ菓子パンで大人気だった「チョコベリー」
パンの中に生クリームがサンドされていて表面をチョコレートでコーティングした「チョコベリー」。
常温でも美味しかったですが、冷やすとさらに美味しさが増すため、学校売店で買って家の冷蔵庫で冷やして食べるのが私流の味わい方でした。こうして今手にすると意外に小さくてびっくりですが、あの頃はもっと大きく感じたおしゃれ菓子パンです。
まだまだある、腹ぺこ学生の胃袋を支えたパンたち
最盛期は80~100種類のパンを作っていたという「栄パン」。近年はその当時の約半分の30~40種類を販売していましたが、どれも大人気で学校売店でもお店でも、あっという間に売れ切れに。ここでは中でも人気のあった5種類を厳選してご紹介します。
ウスターソースじゃなくて塩ダレなのが栄パン流「塩やきそば」
やきそばパンといえば茶色いソースのイメージが強いですが、「栄パン」のやきそばパンは塩ダレ。コッペパンの甘みとちょっとスパイシーで濃厚な塩ダレがマッチしています。
やきそばパンってなんで麺が太めなんでしょうね。もちもちとした食感の塩ヤキソバ、もう一度食べたいです。
タルタルソースが最高!「フィッシュパン」
白身魚のフライがまるっとサンドされた「フィッシュパン」は小ぶりながらに具の厚みがあって1個でお腹が満たされるボリューム感。
白身魚のフライと酸味の効いたタルタルソースの相性が最高でした。
給食でこれが出たらテンションアップ!「あげぱん」
パンを素揚げしてお砂糖をまぶしただけなのに、学校給食であげぱんが食べられる日は、朝からテンションが高かったように記憶しています。
主食なのにお菓子を味わうような感覚が楽しかったあげぱん。当然カロリーは高めですが、学生時代はそんなのお構いなしでした。燃費の良かったあの頃に戻りたい・・・。
バニラクリームのださウマ感がたまらない「春先レーズン」
私が「春先レーズン」を知ったのは最近なのですが、お店に伺ってこのパンがまだ店頭に並んでいたら必ず買っちゃいます。
生地にレーズンを練り込んだコッペパンの中央に切り込みを入れてバニラクリームをたっぷりと。このバニラクリームが“ださうま”で、食べながらなぜか笑ってしまうんです。学生時代に食べていたパンって総じて“ださうま”なんだよなーとしみじみしちゃう一品。
パン作りを卒業して、新しい世界へチャレンジ
現在の代表である坂入宏昌(さかいりひろまさ)さんのお祖父さまが戦時中に軍隊さんへの給食としてパンを作りはじめ、戦後に土浦でパン屋を開店したのが「栄パン」の始まり。休むことなくパンの生地をこねて、オーブンもフル回転。
お祖父さま、お父さまの後を継いで3代目として、パンを作るのが日常だった坂入さんですが、違う世界をもっと見て知り、新しいことに挑戦してみたいと、勇気をもって「栄パン」のシャッターを閉める決断をしました。
ピンクの三本線にブルーと白の「栄パン」号をもう街中で見ることができなくなるかと思うと寂しいですが、新しいチャレンジを心から応援したいです。
これからも頑張ってください、そしてこれまでどうもありがとうございました!