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日米猛虎事情。阪神タイガースもデトロイト・タイガースも、20本塁打以上の選手は皆無

宇根夏樹ベースボール・ライター
デトロイト・タイガースの本拠地、コメリカ・パーク April 24, 2005(写真:ロイター/アフロ)

 阪神タイガースと中日ドラゴンズには、20本塁打以上の選手が一人もいない。阪神の最多は大山悠輔の12本、中日はダヤン・ビシエドの16本。他の二桁本塁打は、阪神がジェフリー・マルテ(11本)、中日は福田永将(14本)と堂上直倫(11本)だ。

 中日では、シーズンが終わるまでに、ビシエドが20本塁打に到達してもおかしくない。だが、阪神の選手は、誰も届かないだろう。昨シーズンも、阪神に20本塁打以上は皆無。糸井嘉男の16本が最も多かった。

 これは、最近の阪神では珍しいことではない。2010年のクレイグ・ブラゼル(47本)を最後に、30本塁打以上は途絶えている。25本以上ですら、2010年のブラゼルと城島健司(28本)の後は、2014年のマウロ・ゴメス(26本)のみ。2011~13年は、3年続けて20本以上が皆無だった。

 一方、メジャーリーグでは、阪神と同じチーム名を持つデトロイト・タイガース(以下タイガース)が、20本塁打以上ゼロとなりかねない。7月末にシカゴ・カブスへ移籍したニコラス・カステヤノスを含め、6人が二桁本塁打を記録しているものの、最多はブランドン・ディクソンの14本だ。カステヤノスはカブスで9本を打ち、シーズン全体のホームランを20本としている。

 日本プロ野球における阪神と同じく、メジャーリーグで15本塁打以上が皆無のチームは、タイガースだけだ。サンフランシスコ・ジャイアンツも20本塁打以上はいないが、ケビン・ピラーが19本を打っていて、エバン・ロンゴリアマイク・ヤストレムスキも17本で続く。ブランドン・ベルトも15本だ。シーズン終了の時点で、ジャイアンツの20本塁打以上は2人以上になるだろう。

 阪神と違い、タイガースに20本塁打以上の選手がいなかったシーズンは、17年前の2002年が最後だ。この年は、ランドール・サイモンの19本が最も多かった。ちなみに、サイモンは2005年にオリックス・バファローズでプレーし、16試合で0本塁打に終わった。

 もっとも、ここ2シーズンのスラッガー不在は、タイガースも、阪神とそう変わらない。昨シーズンの20本塁打以上は、23本のカステヤノスしかいなかった。

筆者作成
筆者作成

 2010年以降のチーム本塁打王のうち、他チームへ移籍したのはカステヤノスだけでなく、J.D.マルティネスジャスティン・アップトンは、それぞれ、ボストン・レッドソックスとロサンゼルス・エンジェルスでプレーしている。ビクター・マルティネスは昨シーズン限りで引退。ミゲル・カブレラは今もタイガースにいるものの、衰えが顕在化している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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