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エステベスの「開幕20連続セーブ成功」は球団新記録。彼以外に今シーズンのセーブ成功率100%は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
カルロス・エステベス(ロサンゼルス・エンジェルス)Jun 4, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、カルロス・エステベス(ロサンゼルス・エンジェルス)は、20セーブを挙げ、一度もセーブに失敗していない。セーブ成功率は100%、防御率は1.91だ。

 エンジェルスのゲーム・ノーツによると、開幕から20連続セーブ成功は、球団新記録。それまでは、1995年にリー・スミスが記録した19連続セーブ成功が最も長かったという。

 ちなみに、スタート時点を問わない球団最長のストリークは、見落としがなければ、25連続セーブ成功だ。2008年4月14日~6月11日に、フランシスコ・ロドリゲスが記録している。この年のK-ROD――イニシャルのFではなく、奪三振のKからそう呼ばれた――は、62セーブを挙げ、メジャーリーグのシーズン最多記録を樹立した。

 昨オフ、エンジェルスは、コロラド・ロッキーズからFAになったエステベスと2年1350万ドルの契約を交わした。それまでのエステベスは、2016年と2021年の11セーブが最も多く、6シーズンで計25セーブだった。

 今のところ、エステベスとの契約は、大成功と言っていいだろう。

 ただ、今後については、少し気がかりな点もある。今シーズン最初の17登板(4月2日~5月8日)とその後の17登板(5月12日~6月27日)を比べると、それぞれの防御率は1.02と2.93、FIPは1.84と5.41だ。どちらのスパンも69人に対して投げ、奪三振は23と18、与四球は7と9、被安打は9本と17本、被本塁打は0本と3本。いずれも、その後の17登板のほうがよくない。

 なかでも、6月15日以降の4登板中2登板は、他の登板とは違った。15日は、先頭打者から3人続けて歩かせ、そこで降板。27日は、先頭打者の二塁打を皮切りに、4本続けてヒットを打たれた(4本目は内野安打。そこから、三振と併殺打で試合を終わらせた)。今シーズン、与四球2以上の登板は他に皆無。被安打4本は、最も多い。

 なお、ここまでに10セーブ以上を挙げて成功率100%は、エステベスの他に2人いる。22セーブのアレクシス・ディアズ(シンシナティ・レッズ)と、11セーブのクレイグ・キンブレル(フィラデルフィア・フィリーズ)がそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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