初回KO勝ちをきめたロニー・シールズの弟子
1986年12月に浜田剛史の持つWBCジュニアウエルター(現スーパーライト)級タイトルに挑み、1-2の判定で敗れたロニー・シールズ(64)。彼は世界のベルトには届かず、26勝(19KO)6敗1分けの戦績で引退した。
シールズはトレーナーに転向後、マイク・タイソン、イベンダー・ホリフィールド、タイレル・ビッグス、デビッド・トゥーア、パーネル・ウィティカ―、メルドリック・テイラー、リビングストン・ブランブル、アルツロ・ガッティ、ラウル・マルケス、ジャーメル・チャーロらを指導し、第一線で活躍中だ。
先日、シールズの教えを受ける31歳のウエルター級、ウィリー・ジョーンズも初回1分22秒でKO勝ちを収めた。狙い澄ました左フックをカウンターでヒットした、圧巻のノックアウトだった。
シールズは言う。
「預かったファイターの作戦を考えるのは当然のこと。だが、思い通りに運ばなかった場合のプランも想定しておくべき。それがトレーナーの仕事なんだ」
日本での世界戦で、浜田の強打を警戒しながら本人はポイントを取ったと感じていた。実際、ジャッジの一人は2ポイント差で彼の勝利を唱えた。が、残る2人は3ポイント差、5ポイント差で浜田を支持した。シールズがプランAの他に"B"の重要性を説くのは、自身の苦い経験がベースとなっているようだ。