ソトが記録した「異なる3チームでシーズン30本塁打」はどれくらい珍しいのか
今シーズン、ホアン・ソト(ニューヨーク・ヤンキース)は、ここまでに30本塁打を記録している。8月11日に、29本目と30本目のホームランを打った。
ソトは、今シーズンがメジャーリーグ7年目。現在の年齢は25歳だ。シーズン30本塁打以上は3度目。その前の2度は、2019年にワシントン・ナショナルズで34本塁打と、2023年にサンディエゴ・パドレスで35本塁打を記録した。
オプタ・スタッツによると、26歳の誕生日を迎える前に、異なる3チームでシーズン30本塁打以上は、メジャーリーグ史上初だという。
異なる3チームでシーズン30本塁打以上は、見落としがなければ、ソトが30人目だ。そのうちの5人は、4チーム以上。フレッド・マグリフとゲリー・シェフィールドは、シーズン30本塁打以上を5チームで記録した。ホゼ・カンセコ、アルフォンソ・ソリアーノ、ネルソン・クルーズは、4チームだ。「ギターを抱いた渡り鳥」ならぬ、「バットを抱いた渡り鳥」と呼んでもいいかもしれない。
現役選手では、ソトの他に、J.D.マルティネス(ニューヨーク・メッツ)が3チームでシーズン30本塁打以上だ。2015年にデトロイト・タイガースで38本塁打、2018年と2019年にボストン・レッドソックスで43本塁打と36本塁打、2023年にロサンゼルス・ドジャースで33本塁打を記録した。2017年の45本塁打は、タイガースで16本とアリゾナ・ダイヤモンドバックスで29本なので、ここには含めていない。ダイヤモンドバックス移籍後のホームランがあと1本多ければ、4チームでシーズン30本塁打以上――タイガース、ダイヤモンドバックス、レッドソックス、ドジャースの順に――と数えるところだ。
また、トニー・バティスタは、2000年にトロント・ブルージェイズで41本塁打、2002年にボルティモア・オリオールズで31本塁打、2004年にモントリオール・エクスポズ(現ナショナルズ)で32本塁打を記録した。なお、1999年の31本塁打は、ダイヤモンドバックスで5本とブルージェイズで26本だ。
カナダが本拠の2チーム、ブルージェイズとエクスポズのどちらでもシーズン30本塁打以上は、バティスタしかいない。ちなみに、福岡ソフトバンク・ホークスでプレーした2005年は、30本塁打に3本届かなかった。
ソトは、シーズンが終わるまでにヤンキースと延長契約を交わさない限り、オフにFAとなる。ヤンキースに戻ることはあっても、ナショナルズとパドレスはなさそうだ。4チーム目でプレーすれば、そこでも、1シーズンに30本以上のホームランを打つ可能性は低くない。さらに、異なる5チームでシーズン30本塁打以上もあり得る。仮に、2025~34年の10年契約を手にした場合、2035年の年齢は36歳だ。