【コーヒーの歴史】アラビカ種が紡ぐ歴史!―エチオピア高原から世界の港へ―
コーヒーノキの栽培の起源は、エチオピア高原に自生するアラビカ種に遡ります。
やがてイエメンの山岳地帯で栽培が始まり、17世紀にはヨーロッパ各国の東インド会社がこぞってイエメンのモカ港からコーヒーを輸入するようになりました。
この小さな港の名が、やがて「モカコーヒー」というブランドとして世界に広まることになります。
しかし、イエメンから出荷される豆には発芽を防ぐ加熱加工が施され、コーヒーの密輸は厳しく罰せられました。
それでも、1610年頃にインドのマイソールで栽培が始まり、1696年にはインドからジャワへ苗木が運ばれ、コーヒーの世界的な栽培拡大の一歩となります
エチオピアの自然林から生まれた一粒の豆が、遠い港町や植民地へと伝わり、人々の生活に深く根付く姿は、コーヒーが単なる飲み物を超えた存在であることを物語っております。
参考文献
マーク・ペンダーグラスト著、樋口幸子訳(2002)『コーヒーの歴史』河出書房新社