メルカリに大量出品「スタンプ押印済みポイントカード」 不正出品対策は?
店舗で購入時に押してもらえるスタンプを一定数集めると、商品と引き替えられたり、割り引きなどが受けられる「スタンプカード」。フリマアプリ「メルカリ」には、押印済みのさまざまなスタンプカードが売られています。
その多くは「スタンプを貯めたけど自分では使わない」「商品と引き替えられるほどの数を貯め切れなかった」などの理由で売りに出されているようですが、一部には悪質な出品があったようです。
27日付けの日本経済新聞に、「ポイントカード、ネットに大量出品 店員が押印か」との記事が掲載され、話題になりました。
記事によると、今年11~12月にかけ、大手外食チェーンの押印済みスタンプカードがネットオークションに大量出品されたそうです。50個の押印欄がすべて埋まったカードが、1枚2000円などで1カ月に19枚出品されており、半年間に少なくとも54枚出品されたとのこと。54枚の押印欄を埋めるには135万円分の飲食が必要で、店員による不正押印や、押印済みカードの不正コピーなどの可能性もあるとのことです。
この記事で、カードは「オークションサイト」で出品・販売したと書かれていましが、記事に添付されたは、フリマアプリ「メルカリ」の画面とみられるものでした。そこで筆者は、メルカリと、オークションサイト「ヤフオク!」でそれぞれ、飲食店の押印済みスタンプカードの出品を探してみたところ、メルカリでは大量に発見。一方で、ヤフオク!は少数でした。
メルカリに出品されていたのは、「餃子の王将」「銀だこ」「大戸屋」などの有名飲食チェーンのものが中心。その他、衣料品店や菓子店、宝飾店など多様なカードが売られていました。ただ、記事にあったような、「すべて押印したカードを大量に出品しているユーザー」は見つかりません。余ったカードを1枚だけ出品していたり、「3個だけ押印されています」など、スタンプを貯め切れなかったとみられる出品が多く見られました。
既にメルカリが対策したのでしょうか? 「押印済みスタンプカードの不正出品対策」についてメルカリに取材したところ、以下の3点に当てはまる場合は、削除対応を行っているそうです。
- 換金性の高い金券類類似とみなされるもの
- 同一カードの大量出品等、不正に入手した疑いがあるもの
- 店舗から問い合わせがあったもの
削除対応を始めた時期がいつかは明かしませんでした。「今回のニュースを受け、メルカリといたしましても、より一層取り締まりに力を入れていく」とコメントしていました。
報道を受けて「紙のポイントカードの時代が終わるかもしれない」という意見もありました。スマートフォンアプリを使った電子ポイントカードなら、他人に売ることはできませんし、おサイフの容量を圧迫することもありません。ただ、導入には対応システムが必要で、導入コストは高いですから、普及にはまだまだ時間がかかりそうです。