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小室圭さん急転直下 解決金をめぐる180度変わった真意とは?

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
小室圭さん(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 昨日(4月12日)の午後2時に配信した記事の中で、インタビューに応じてくれた「丸の内ソレイユ法律事務所」所長の中里妃沙子弁護士は、”解決金”に関して、こんな考えを述べていた。

「解決金は和解のためのお金であって、借金の返済金という性格ではありません。本当に解決したければ、選択肢として排除すべきではないと思います」

 この記事の配信から数時間後、小室さんの代理人弁護士を通じて、「解決金を支払う用意がある」との速報が流れた。

 まさに事態は急展開を見せたのである。そこで多忙の中、再び中里弁護士に考えを聞いた。

■あれほど拒絶していた「解決金」

 まず、小室圭さんの文書で「解決金を渡すことは借金を認めることになる」とした部分を改めて読み直してみた。

《たとえ解決金としてお金を渡したとしても、そのお金は借金の返済だったと誤解されてしまうだろう、(中略)これは、将来の私の家族までもが借金を踏み倒そうとした人間の家族として見られ続けるということを意味します》

と述べ、さらに「名誉の問題」とまで文書の中で言い切っていた。

 にもかかわらず、一転して解決金を渡そうと決意した小室圭さんの真意はどこにあるのか、中里弁護士に推測してもらった。

「時間を割いて出来得る限り丁寧に書いた文書が、メディアのみならず国民の間でも批判の的になっていることを知って、法律論よりも誠意ある態度が求められていると感じたのかもしれません。その上で元婚約者から支援を受けていたのは事実なのだから、その恩義にきちんと報いる形にしたいと考えたのでしょう」

 代理人弁護士によれば、文書の公表によって、トラブル解決に向けた考え方などを明らかにできたことから、「次のステップ」として、解決金を渡すことを決めたとコメントしている。

 解決金の金額は、元婚約者から支援された約400万円+アルファと言われており、かなりの高額だ。

 これで全面解決へと繋がれば結構なことだが、中里弁護士は「悪いことではないけれども、若干、小室さん側の戦略的な意図を感じる」と話す。

■隠された真意とは?

「解決金を渡すと表明したことによって、金銭トラブルを解決する責任の所在は、元婚約者側に渡るということです」

 つまり次に動き出すべきは、元婚約者であるということだ。

 そこに小室さん側の戦略が隠されているという。

「解決金を元婚約者が受け入れて、トラブルが手打ちになるのなら、それでよし。もし、相手側が意固地になって受け入れないのであれば、小室さん側に落ち度はないことの証明にもなります。いずれにしろ、ボールは相手側に投げられたのだから、どう転んでも小室さん側に不利にはならないのです」

 確かに小室さんとしては、解決金の支払いを表明したことによって、やるべきことはすべてやり尽くしたと言えるだろう。また大きな譲歩を決断したという態度は、まさに秋篠宮さまや宮内庁が求める「見える形」にも沿っている。

■これですべてが丸く収まるのか?

 小室さんは「解決金を支払う」方針について眞子さまに報告しているというが、代理人弁護士は「解決金を支払うことがダイレクトに結婚に結びつくかは分からない」と、あくまで法的な解決を主眼に置いている。

 金銭トラブルは解決金を提示したことで収束方向に向かうだろうが、これによって多くの国民が抱く、小室さんへのネガティブな印象は変わるのだろうか?

「解決金を渡すのはトラブルに終止符を打つためには、賢明な判断だと思います。しかし、元婚約者の方への感謝の気持ちはどうなのでしょうか?結婚に向けて身辺整理し、身ぎれいにするための解決金にしか思えません。願わくは、小室さんの誠実な思いを感じさせる言葉を聞きたいですね」

 法律はトラブルを解決に導くツールとしてはとても有用ではあるが、こじれた人の心を癒し再生への道筋を必ずしも示すものではない。

 中里弁護士は、だからこそ法律家には争いに勝つテクニックよりも、心に秘めておかなければならない大切なことがあると言う。

「弁護士は、依頼してきた方の要望に100%応えようと考えます。その上で本当に求めているゴールは何かをしっかりと捉え、そのためにどうトラブルと向き合うのか。優しさや思いやり、将来の幸せな形をどう作っていくのか。人間として正しい姿を常に考えるようにしています。小室さんが将来、弁護士になった時に、それを痛感する時がくるかもしれませんね」

4月12日配信記事「小室圭さんが説明文を公表、弁護士の見解は?書くほどに言い訳に…との指摘も」https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20210412-00232224/

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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