バルサは「配置換え」でグリーズマンを適応させられるのか?メッシの存在とクーマンの新たなプラン。
ワールドカップで優勝に貢献した選手が、バルセロナでは最適なポジションを見つけられずにいる。
アントワーヌ・グリーズマンは2019年夏にアトレティコ・マドリーからバルセロナに移籍した。契約解除金1億2000万ユーロ(約144億円)を支払い、バルセロナはグリーズマンの獲得を決めている。
グリーズマンは2019-20シーズン、リーガエスパニョーラ35試合に出場して9得点を記録している。その中でエルネスト・バルベルデ元監督やキケ・セティエン前監督は左ウィング(14試合)、センターフォワード(19試合)、右ウィング(2試合)とグリーズマンを複数ポジションで起用した。
■グリーズマンの発言
「(ディディエ・)デシャン監督は僕をどのポジションで起用するべきか分かっている」とは、先のフランス代表での試合を終えた後のグリーズマンの言葉だ。
フランス代表の試合では、確かにグリーズマンに自由が与えられている。2トップのキリアン・エンバペやアントニー・マーシャルを操る役割で、トップ下というより逆三角形の3トップとして少し下がり目にグリーズマンがいるような格好だ。
優勝を達成したロシア・ワールドカップでは、【4-2-3-1】のトップ下にグリーズマンがいた。攻撃時には左サイドハーフのブレイズ・マテュイディが下がり、右サイドハーフのエンバペが上がる、度々可変の【4-3-1-2】を執っていた。
フランス代表で、グリーズマンは83試合に出場して33得点24アシストを記録している。
■バルセロナとメッシの存在
だがバルセロナでグリーズマンにそのタスクを託すのは不可能だろう。なぜなら、それは実質メッシが担っているものだからだ。
「グリーズマンと話をした。彼のパフォーマンスとポジションが話題に上がった。私はチームのためのベストを模索しており、彼には右サイドで自由を与えるのが良いと判断していると伝えた」とはロナルド・クーマン監督の弁だ。
他ならぬクーマン監督が、就任当初はグリーズマンがFWの選手であることを強調していた。だが蓋を開けてみればメッシをゼロトップに据え、アンス・ファティを左WGに、フィリップ・コウチーニョをトップ下に置く形がクーマン監督の「暫定解」になっている。
グリーズマンはバルセロナ加入後、公式戦51試合15得点4アシストを記録している。ただ、今季はまだゴールがない。グリーズマンがチームに合わせるのか、チームがグリーズマンに合わせるのかーー。その答えが出るのは、もう少し先だ。