春生まれの長男は花粉症になりやすい 花粉症にまつわるあれこれ
またこの季節がやってきた。
今週月曜日(15日)から、都内でスギ花粉が飛び始めている。今年は暖冬のせいもあってスギの開花が早まり、平年と比べ3日早く、花粉の量は例年をやや上回る1.1倍になる予想だという。
日本と世界の花粉症事情
今や国民病と言われるほどに花粉症に悩む人の数は増えている。日本人の3~4人に一人が花粉症を持ち、そのうち70%はスギ花粉症患者と言われている。
では、諸外国の花粉症事情はどうなのであろう。
ある調査によると、イギリス、ドイツ、フランス、南半球のオーストラリアやニュージーランドでは、5人に一人が花粉症のようだ。
一方、アメリカでは7.8%で、上記の国に比べるとやや少ないといえる。なぜなのか。黒人の子供は白人の子供に比べ、花粉症になる確率が低いという調査もあることから、こうした人種的な理由が関係しているのかもしれない。
日本ではまれに、さくらの花粉に花粉症を発症する人がいるが、海外では、オリーブ、メープル、くるみ、マンゴーの花粉でくしゃみをする人もいる。ところ変われば、花粉変わるである。
花粉症になりやすい人
そもそも、どんな人が花粉症になりやすいのだろうか。
まず、遺伝的要因がある。両親がアレルギーを持った子供のうち、約60%はアレルギーを持つと言われる。
もちろんそれだけではない。
一般的に若い女性よりも、若い男性の方が花粉症になりやすいという調査結果が出ている。さらに、第一子が、第二子や第三子よりも花粉症になりやすく、誕生日が花粉の飛ぶ時期であればあるほどその確率は高くなるという。
この結果からするに、両親が花粉症持ちで、2月から4月に生まれた長男は、スギ花粉症である確率が高いといえる。私の親類で思い当たる人がいるが、彼も見事に花粉症である。
さらに、幼児期にタバコの煙のある環境に置かれた場合や、抗生物質を多く服用した場合も、花粉症のリスクが高まると言われている。理化学研究所が発表した「花粉症にならないための9か条」によると、幼い時から猫や犬を飼育し、また適度に不衛生な環境に置くことで、免疫機能を活発にさせることが花粉症対策になるという。
人間は、微生物と共存してきた歴史が長いので、近年の清潔な環境が花粉症を増やしているという説もあるようだ。
データ参考元:
The American Academy of Allergy, Asthma & Immunology(AAAI)
"Allergy in Practice" Prof. Dr. med. Dr. phil. Johannes Ring 著