甲子園開幕! 今年の「監督・選手コラボグルメ」は? アレコレ充実のメニューがスタート
■ラーメンは“ごほうびメシ”
ズルッズルッズルッ…。
おいしそうにラーメンをすするのは、阪神タイガースの村上頌樹投手。阪神甲子園球場の「監督・選手コラボグルメ」に自身のコラボメニューが新たに登場し、そのお披露目会見でのことだ。
村上投手のコラボメニューは『ラオタ村上の柚子香るさっぱり塩ラーメン』と『ニンニク香る!パワフル牛ステーキ弁当』。
「ラーメンが好きなので、みなさんにも食べてもらいたいなって思って提案しました。(ラーメンは)食べられるときは食べたいと思っている感じなんで、週1とかは食べたいんですけど、ちょっと気を遣っている部分もあります」。
メニュー名にも“ラオタ”と付くくらい“ラーメンオタク”を自認する村上投手だが、やはりプロのアスリートであるからには食事面には気を配り、“ラーメン欲”を抑えている。しかし、「頑張ったら、いいかなと思って食べます」と、“ごほうびメシ”でもあることを明かす。
「濃いめの味が好き」という村上投手のリクエストによりベースは濃いめのスープだが、そこに柚子の香りがほのかに香るのでさっぱり食べられる。さらに「とくにメンマが好き」という村上投手の提案で、通常バージョンに加えてチャーシューとメンマ大盛りバージョン(+150円)もあるのが嬉しい。
■濃い味を食べて濃い存在に
続いてもう一品。ニンニクダレで味付けし、ガーリックチップをまぶした牛ステーキと、ニンニクダレをからめたご飯をほおばった村上投手。このステーキ弁当も「濃いめでインパクトのある味」だそうで、ボリューミィな牛肉に目を奪われる。ニンニクの香りによだれが出てくる逸品だ。
自らプロデュースするコラボメニューが出るというのは、いわば活躍の証しだ。昨年のリーグ優勝、日本一に大きく貢献し、セ・リーグMVPまで獲得した村上投手も、これまでほかの選手のコラボメニューを見ながら、自身も「出せたらなと思っていた」と打ち明け、販売を大いに喜んでいる。
「寒いときはラーメンで温まってもらったらいい。お弁当も味がガッツリして食べごたえがあるので、みなさん、いっぱい食べてください。僕もみなさんの記憶に残るような“濃い存在”になれるように頑張ります」。
大好きな「濃いめの味」にかけて、精いっぱいPRしていた。
■コラボグルメの歴史は古い
野球場での楽しみ方はさまざまだ。プレーを観るのはもちろんだが、「球場めし」「スタグル」といわれる球場グルメを楽しみに来場するファンも多く、中でもそれぞれの個性が出ている「監督・選手コラボグルメ」は非常に人気が高い。
「始まってから、もう20年近くになります」と、コラボグルメについて説明してくれたのは阪神甲子園球場の飲食を担当する松本昂大さんだ。年々メニューも充実し、販売場所も増え、売り上げは右肩上がりで伸びているという。
「これまでも金本(知憲)選手の『金本兄貴のスタミナハラミ丼』であったり、赤星(憲広)選手の『赤星ラーメン』であったりは、非常に人気がありました」。
寒い時期には温かいものが、暑い時期やデーゲームでは冷たい麺類やドリンクに人気が集中するが、シーズンを通してのヒットメニューも数々あったようだ。
■選手と綿密な打ち合わせ
コラボグルメの企画は、早くも前年から始まる。
「まずは選手にヒアリングをしに行くんです。『どんなものが好きですか』とか『今まで思い出に残っているもの…高校時代によく食べたとか、お母さんの思い出の味とか、そういったものはありますか』というようなことをヒアリングさせていただき、それを元に試作品を作って1回目の試食をしていただきます。それが11月のファン感謝デーの日ですね」。
食べた選手から要望を聞き、それを反映させる。味付けの濃さや肉の部位など、選手も詳細に意見を出す。そしてキャンプ前の1月、再び試食となる。「選手によってグルメな選手、ガッツリお腹を満たしたい選手、いろいろいらっしゃいますので、ご要望の度合いっていうのは違っていたりしますね」と松本さん。
■あの“パティシエ選手”は・・・
中でも驚かせたのは、坂本誠志郎選手だという。
「最初に坂本選手のクレープを出したとき、実際に売店まで来て調理してくださったことがありました。『一回、作ってみたい』ということでね。今も第2弾として、味を変えて販売しています」。(第2弾のクレープは『パティシエ坂本のフルーツたっぷり白くま風クレープ』)
売店に出向いて調理しちゃうなんて、さすが福留孝介選手の誕生日に手作りケーキをプレゼントした“パティシエ”だけある。
ちなみに坂本選手のもう一つのコラボメニュー『坂本のこだわり!厳選中華弁当』も、揚げチーズ餃子にピリ辛の麻婆豆腐、甘ダレの肉団子に2種類のご飯と、グルメな“坂本選手のこだわり”がぎっしり詰まっている。
■コラボ弁当のサービス
一部の選手コラボ弁当には景品プレゼントもあり、今年の景品は「アクリルスタンドキーホルダー(15種類。ランダムでのプレゼントで種類は選べない)」だ。すべての弁当を購入すれば、これを飾る「ひな壇」もプレゼントされる。
また、「おとりおきサービス」で事前に予約することができる。売り切れる心配がないので助かるシステムだ。(おとりおきサービス申し込み)
さらに嬉しいのは、予約した弁当の監督または選手のアクリルスタンドキーホルダーがもらえることだ。つまり推し選手のものを確実に手に入れるには、「おとりおきサービス」で購入すればいいわけだ。
■コラボグルメは選手にとってのステイタス
選手にとって、ステイタスにもなっているコラボグルメ。これが作られるようになれば、“いっちょまえ”と認められたようなものだ。ファンも推し選手のメニューができるのを心待ちにしている。
今年は村上投手はじめ森下翔太選手や大竹耕太郎投手ら10選手の13メニュー以上が新登場し、合計35メニュー以上がラインアップされた。(監督・選手のコラボグルメ2024)
かつて、城島健司選手と新井貴浩選手はお互いのコラボメニューの売り上げを競い合って舌戦を繰り広げたこともあったが、選手たちも自分のメニューの人気度は気になるようだ。ファンにとっても推し選手のコラボメニューを食べることは、“推し活”のひとつにもなる。
今年はどのメニューに人気が集まるかに注目してみるのも、おもしろいかもしれない。
「監督・選手コラボグルメ」は今日4月9日、甲子園開幕とともにスタートする。まずは“開幕投手”・村上投手のコラボメニューから召し上がってみては?
*選手の“素”が見られる『監督・選手コラボグルメ2024、メイキング・NG集』も必見!
(写真の撮影は筆者)