【英会話】信じてるよって言ったら、外国人にからかわれた。なんで?
英語を仕事で話し始めて20年ほどになりますが、英語を話し始めたころは、もともと英語が得意でなかったせいで、Native English Speakerから思わぬ反応を引き出すことがよくありました。
そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は読むと大失敗を避けられるお得なエッセイです。
信じてるよ のつもりが
以前、わたしがマネージメントしていた英会話スクールは法人部門もありまして、ちょっと名前は出せませんが、ある大手の半導体メーカーと契約させていただいて、講師を派遣していました。ただ、さすがに専門性の高い会社の英会話、なかなか対応できるNative English Speakerがいなくて、苦労しました。IT系のマスターレベルの知識が求められるんです。
やっと見つけたNative English Speaker講師を相手の会社のビルに連れて行って、トライアルレッスンをした後のこと、駅までNative English Speakerと歩きながら、もうちょっとでそれまでの苦労を水の泡にしそうになったことがあります。もちろん、私のつたない英語のせいです。
トライアルレッスンは、順調に終わったんです。先方も満足気で、ぜひこちらの方にお願いしたいと言ってもらえてほっとしていたんですが、この講師アメリカ人のCatherineが、不安気にこう言ってきた。
「あたし、ちょっと自信ないなぁ、現場から1年離れてるし」
ヒヤッとしますねぇ。ずいぶんほうぼうのツテを使って紹介してもらった講師なんです。ここで逃したら、おっと本音が、もとい、ここで断られたら、また最初からやり直しです。当然、ここは励まさないといけません。私は、大丈夫、出来るって、信じてるよ のつもりで、
"Alright! You can do it. I believe you."
って言ったんですが、Catherine口をへの字にして、
"I knew it."
と、のたまう。おお、さすが自信家のアメリカ人は違う、自分ができると信じてる、これで大丈夫かな、と思ったんですが、Catherineのその次の言葉で慌てました。
"So, could you find someone else?"
ですって。「じゃ、他の人探してね」では、話の辻褄(つじつま)が合わない。ちょっと待った、それって断るってこと? って訊いたら、にやっとしながら、
"Just joking."
との返事。すっかり揶揄(からか)われてたみたいです。どうして、私が振り回されることになったか、みなさん、お気づきでしょうか?
問題は、私のI believe you.にある。私はあなたを信じてるよのつもりで言ってるんですが、これ、その意味になってない。あなたの言うことを信じてるよになってるんです。とすると、自信ないなぁというCatherineの発言を信じてることになっちゃうわけで、まるで逆効果。前の君ならできるってというところで、私の英語があってないことはわかるんで、ちょっと遊んでやろうと思ったようでした。
まったく人の気持を弄んで酷いCatherineです。今みたいに、ちょっとは英語を話せたら、Don't take the mickey. ぐらいは言えたのですが。
と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。
お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。
あ、そういえば、本当はどういうべきだったかを書いてませんでした。それは、
"I believe in you."
in が入ることで、相手の言っていること・意見を信じる という意味ではなく、相手の能力を信じる という意味になります。たった一単語ですが、重要です。
9月は欧米の年度始まり。みなさんの職場や学校にも新人のNative English Speakerがいると思います。どうぞみなさんは、同じ轍を踏まないように注意してください。励まそうとして、逆に気落ちさせたらかわいそうですから。
イラスト 大橋啓子