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同級生・高杉真宙との共演を前に、安田聖愛が決めたこと

中西正男芸能記者
女優への思いを語った安田聖愛

 2010年に「第35回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを獲得しデビューしたモデル・女優の安田聖愛さん(22)。ヒロインを務めた映画「笑顔の向こうに」(全国順次公開中、榎本二郎監督)が昨年12月の「第16回モナコ国際映画祭」で最優秀作品賞にあたる「エンゼルピースアワード」を受賞し、一躍注目の存在となりました。今作の主演俳優・高杉真宙さんと高校の同級生。同級生と共演するというこれまでになかった経験もし、海外での評価も受け、女優としても大きくステップアップしましたが、さらなる飛躍のため胸に秘めた思いを真っすぐな瞳で語りました。

同級生との共演

 今回の作品、撮影は9日間と短かったんです。そして、監督が長編を撮られるのは初めてということもあり、スタッフさん一人一人が温かい気持ち、優しい気持ちを持ってやってらっしゃるというのがすごく伝わってきまして。そんなすごく良い空気に包まれた現場だったので、私も何とか自分のやれることを精いっぱいやろうと思って走り続けた9日間でした。

 あと、主演の高杉真宙さんとは、実は高校の同級生でして。同級生で同じ作品に出る。しかも、しっかりとお芝居でも絡む。さらに、役柄的にも幼馴染の役なので、いろいろ現実と重なるところもありまして。

 しかも、クラスメートと言ってもほとんどしゃべらないとかではなく、いつも一緒にいる6人組があったんですけど、高杉さんも私もそこのメンバーだったので、すごく距離の近い方の同級生でして。だからこそ、余計にいろいろと思うところもあったんです。

同級生ならではの思い

 プライベートではなく、映画というお仕事の場で会ってますから、ここはもう頭を切り替えないといけない。ある意味、腹をくくりました(笑)。まずは互いに恥ずかしさを取り除くというか「照れないでやろう」ということを決めてスタートすることにしました。やっぱり、何とも言えない恥ずかしさみたいなものはだいぶありましたからね。

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 あと、本当に正直な話、悔しい思いも多々あったんです。なんだろうな、もちろん、高杉さんはいろいろな現場を経験していて助けられた部分もあるんですけど、やっぱり同級生なので、そうやって助けてもらっているのが悔しいというか。自分ももっと頑張りたいという思いがより強く出てきたのも事実でした。

 初めてヒロインを演じるという大きな作品でもありましたし、同級生ならではの感情もあったし、さらにスタッフさんを含め、本当に優しい方々の中で「もっと自分も頑張りたい」と心底思えたこともありましたし、何重にも意義深い作品になったと感じています。

地味なことの積み重ね

 そもそも、この世界に入ろうと思い始めたのは小学5年の頃でした。そのあたりからファッショ雑誌を買い始めて、純粋にモデルさんにあこがれを持ち始めたんです。そこをきっかけに雑誌や事務所のオーディションに書類を送りまくりまして。それが何年か続いて、その1つとして中学2年の時に受けた「ホリプロスカウトキャラバン」が初めて書類選考を通過したオーディションになり、しかも、そのままグランプリにも選んでいただくことになりました。

 本当にありがたいことに「気づいたら、夢が現実になっていた」みたいなところはあるんですけど、ただ、実際に入ってみて、感じることもたくさんありました。よく皆さんがおっしゃることに「芸能界って、華やかに見えて実は地味なんだよ」ということがありますけど、まさにそうだなと。

 例えば、今回の作品だったら、歯科衛生士の役ということで、演じるにあたり、歯科衛生士さんがどういうお仕事かをしっかり勉強するだとか、仕事で使う器具の使い方を練習するとか、そういうことを踏まえて自分の役をどう演じるかを考えていくだとか。こういった一連の流れって、すごく大切なんですけど、一つ一つはすごく地味なんです。でも、この仕事のほとんどはそういうことの積み重ね。それを入ってから、日々感じています。

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ダメ出しを続ける

 今年は“ストイックな年”にしたいなと思っています。身も心も。今回の作品を観て、ダメなところがたくさん見えたんです。初めてのヒロインということで、たくさん映るし、それだけいろいろな自分が作品を通じても見えたと思うんですけど、その分、気になるところがたくさん見えもした。そこが見えると、直したくなる。なので、これからも、自分をしっかりと見つめて“ダメ出し”を自分で続けていきたいと思っています。

 今は若くて知らないこと、知るべきことがたくさんあるから、そこを追いかけていくだけでも成長につながると思うんです。ただ、これが40歳、50歳になってくると、だんだんそこもなくなっていくし、そうなるとどこかで成長が止まってしまう。そうならない唯一の方法が、自分で自分にダメ出しをし続けるということなんだろうなと。だから、これからもずっとダメ出しは続けていきます。…すみません、なんか、かなりまじめな感じになってますよね。大丈夫ですかね(笑)。

(撮影・中西正男)

■安田聖愛(やすだ・せいあ)

1996年6月23日生まれ。秋田県出身。2010年「第35回ホリプロタレントスカウトキャラバン」にてグランプリを獲得しデビュー。翌年からファッション雑誌「ラブベリー」の専属モデルを務めた。その後、関西テレビ・フジテレビ系ドラマ「GTO」、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」などに出演。 初ヒロインを務めた映画「笑顔の向こうに」(全国順次公開中)が「モナコ国際映画祭」で最優秀作品賞にあたる「エンゼルピースアワード」を獲得し話題となる。「笑顔の-」は歯科医療をテーマにした映画で、容姿端麗な歯科技工士(高杉)と幼馴染の歯科衛生士(安田)を軸に物語が展開される。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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