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藤澤五月と競う“メガネ先輩”の由来は日本の漫画だった?韓国カー女たちの素顔

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
メガネ先輩ことキム・ウンジョン(写真:ロイター/アフロ)

平昌五輪の女子カーリング日本代表は本日、準決勝で韓国代表と対戦する。

韓国とは15日の予選リーグでも対戦し、日本が7-5で勝利しているが、今日の対戦の勝者は銀メダル以上が確定するだけに、現地でも注目が集まっている。

「“予選1位通過”韓国女子カーリング、宿敵日本と準決勝で激突」(『スポーツ・ソウル』)、「女子カーリング、準決勝で韓日戦“リベンジマッチ”」(『MKスポーツ』)、「運命の韓日戦、女子カーリングが破竹の勢いで金を狙う」(『ヘラルド経済』)などと、日本へのライバル心を燃やすメディアも少なくない。

以前に本欄で紹介した通り、日本代表のスキップを務める藤澤五月が韓国の人気女優パク・ボヨンに似ているとして話題を呼んでいることもあり、日本チームを取り上げる報道も目立っている。

(参考記事:韓国で人気爆発!! カーリング藤澤五月に似ているとされる人気女優パク・ボヨンとは?

メガネを外した姿も「かわいい」

ただ、大きく取り上げられているのは、当然のこどくやはり自国代表のほうだ。特に注目を集めているのは、スキップのキム・ウンジョンだ。

競技中にかけている大きなメガネがトレードマークの27歳。“メガネ先輩”の愛称で親しまれていることは日本でもすでに報じられている通りだが、韓国メディアによるとそのニックネームは日本の漫画『スラムダンク』に登場する“メガネくん”こと小暮公延になぞられてつけられたというのだから、面白い。

『スラムダンク』は今でも韓国で根強い人気を誇っているが、思わぬところでふたたび盛り上がっているわけだ。

(参考記事:『スラムダンク』は今でも人気で、『キャプテン翼』は拒絶されたワケ

そんな盛り上がりの中であっても、キム・ウンジョンは冷静沈着。現地でも、キム・ウンジョンが顔色一つ変えることなく戦略を組み立てる姿が関心を集めているが、表情が変わらない理由について、彼女はこう説明している。

「状況に応じたショットにだけ集中しているから、表情が変わらないんだと思います。競技中に鏡を見たことがないので、自分ではよくわかりません」

もっとも、日常生活では天真爛漫な笑顔を見せており、料理とネットショッピングが趣味という一面もあるらしい。

韓国では、メガネを外した姿がかわいすぎると話題にもなっているが、競技中のクレバーな表情とのギャップも、キム・ウンジョンが人気を呼んでいる一因なのだろう。

(参考記事:メガネを外した“メガネ先輩”が超絶かわいい!! 韓国カーリング女子キム・ウンジョンのSNSがスゴい!!

5人中4人が幼馴染

ただ、韓国代表の一番の強みはキム・ウンジョンひとりにあるわけではく、チームワークにあるというのが評判だ。

何しろ、出場する5人のうち4人は、同じ義城(ウィソン)女子中学・高校出身。前述のキム・ウンジョンとキム・ヨンミは同級生。キム・ヨンミの妹であるキム・ギョンエとキム・シンヨンも、同じ教室で学んだクラスメイトだ。

2006年、韓国初となるカーリング専用競技場が義城に建設されると、当時高校1年生だったキム・ウンジョンとキム・ヨンミは、遊び場がなかったことから放課後に趣味としてカーリングを始めた。

そこに、姉の競技を見学にきていたキム・ギョンエが参加。さらに、キム・ギョンエが教室の黒板に「カーリングしたい人」と書いて仲間を募ると、同級生のキム・ソンヨンが加わったという。

4人は現在、揃って「慶北(キョンプク)体育会」に所属しているが、同クラブに2015年、高校生の頃から実力を発揮してきたキム・チョヒが加入し、現在のチームが完成。昨年5月に行われた代表選抜戦で優勝し、平昌行きを決めたのだった。

それだけにチームワークには自信がある。キム・ウンジョンもこう話している。

「昔から一緒にプレーしてきた思い出があるので、私たちは固く結束できているんだと思います」

日本のカー女 (ロコ・ソラーレ北見)たちのチームワークも素晴らしいが、韓国のカー女たちも強い絆で結ばれているわけだ。さらにホームの大声援を背に、彼女たちはどう日本を迎え撃とうとしているのか。勝負の行方に注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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