日本代表GKと同僚になる“ベトナムのメッシ”のシントトロイデン移籍が韓国でも報じられるワケ
サッカーベルギー1部のシントトロイデンで、連日、日本人選手加入のニュースが飛び交っている。
現在、同クラブには日本代表MF遠藤航、日本代表DF冨安健洋が所属。だが、冨安はイタリアのボローニャと5年契約を結んだと報じられ、公式発表を待っている状態だ。
さらにベガルタ仙台GKシュミット・ダニエルの移籍が決定。鹿島アントラーズのFW鈴木優磨へもオファーを出したとベルギーメディアが報じていた。
こうした日本人選手の話題が先行するなか、“ベトナムのメッシ”の異名をとるFWグエン・コン・フォンの加入も発表されたばかり。
ベトナムのホアン・アイン・ザライFCからの期限付き移籍で、レンタル期間は1年。
「ベトナム初の欧州1部リーグプレーヤー」として注目を集めているが、実は今季、満足な結果を残せていなかった。
コン・フォンは今季、Kリーグの仁川ユナイテッドにレンタル移籍し、開幕前は韓国でも期待の選手だった。
韓国で9試合出場、無得点
スポーツ・芸能ニュースサイト「スターニュース」は「コン・フォン、韓国で失敗しながらも、どのように欧州に進出できたのか」という見出しを打ち、Kリーグでの結果について伝えている。
「コン・フォンは今年、韓国のサッカーファンから大きな関心を集めていた。だが、チームでは当時のヨルン・アンデルセン監督だけでなく、現在の指揮官であるユ・サンチョル監督からも試合で起用されることが少なく、事実上、適応に失敗した。9試合(Kリーグ8試合、FAカップ1試合)に出場したが、得点は決められなかった」
また同サイトは、コン・フォンがKリーグで結果を残せなかったことを、「言葉の壁の問題も看過できない」と報じている。
「ビジョンに共感した」
仁川ユナイテッドはコン・フォンとのレンタル契約を6月に解除しており、その後すぐに欧州行きを模索していたという。
同サイトによれば、コン・フォンのマネジメント会社は、「選手の意思を尊重して、欧州進出のために動き、フランスなど多くのリーグのクラブと協議した。その中でも、もっともコン・フォンの未来のために積極的に動いてくれたシントトロイデンのビジョンに共感した」と話している。
冨安がイタリア・セリエA移籍を決めたように、ベルギーでの活躍次第でビッククラブへの道が開けるというところに、大きな魅力を感じたのかもしれない。
シントトロイデンの経営権は日本のDMMが持っており、日本人選手を獲得することで、多くの国内企業の投資を呼び込むことに成功している。
そう見た場合、ベトナムで最も成功を収めているコン・フォンの加入は、同国企業からのスポンサードも見込める。
すべては自身の結果次第だが、韓国での失敗を乗り越え、まずはベルギーで成功できるか注目したい。