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なぜバルサはラフィーニャを獲得できずにいるのか?ケシエとクリステンセンを確保したシャビの次の一手。

森田泰史スポーツライター
ゴールを喜ぶラフィーニャ(写真:ロイター/アフロ)

待望の新戦力が、到着した。

バルセロナはフランク・ケシエ(前所属ミラン)とアンドレアス・クリステンセン(チェルシー)の獲得を公式発表した。この夏に契約満了を迎えてフリーになっていた2選手を確保して、2022−23シーズンに向けて準備を進めている。

パスを出すペドリ
パスを出すペドリ写真:ムツ・カワモリ/アフロ

「バルサは、歴史的に見て、プレースタイルと勝ち方によって、世界で認められるようになった。愛されるチームになるというのも、重要な要素だ」とはジョアン・ラポルタ会長の弁である。

「秘密はない。まず、信じなければいけない。私は勝利を信じている。決して諦めずに、戦う必要がある。私は常に『勝てる』と思っている。運とは、探し求めるものだ。勝者のメンタリティーを備えていなければならない。ポジティブに考えて、止まらずに。タイトルを獲得して、ファンに喜びを届けられたら、世界を巡りたい。非常に落ち着いた状態で、セクステテ(6冠)を達成したい。再び、あれを味わいたいんだ」

■必要なウィングの補強

ラポルタ会長がシャビ・エルナンデス監督を満足させられるように補強に動いているのは確かだろう。一方で、進捗が悪いのがラフィーニャ(リーズ)獲得のオペレーションだ。

バルセロナは、今夏、ウスマン・デンベレが契約満了でフリーの身になった。新たな契約のオファーが提示されていたが、デンベレ側からの回答はなく、7月1日にバルセロナの選手ではなくなった。そこで、バルセロナとしてはウィングの補強が必須となっている。

ラフィーニャは2020年夏に移籍金1860万ユーロ(約26億円)でリーズに加入した。昨季、プレミアリーグで35試合に出場して11得点をマークしている。

そのラフィーニャを、狙っているのはバルセロナだけではない。チェルシーが彼の動向を注視している。移籍金6000万ユーロ(約84億円)を準備して、ラフィーニャの獲得に動いているといわれている。

バルセロナの“追い風”になるのは、選手の意思とデコ代理人との関係だろう。ラフィーニャ側が決断を待つ間に、バルセロナは移籍金6000万ユーロの3回の分割払い、年俸600万ユーロ(約8億円)でオペレーションを成立させる考えだ。

■中盤と最終ラインの整備

他方、バルセロナはケシエとクリステンセンの獲得で中盤と最終ラインを整備した。

ボールをコントロールするケシエ
ボールをコントロールするケシエ写真:Maurizio Borsari/アフロ

ケシエの獲得で、一役買ったのが、ヤヤ・トゥーレだ。「バルサとの交渉の期間に、ケシエから何度か電話をもらった。彼は僕がバルセロナに詳しいと知っていたからね。正直に言えば、バルセロナのすべてを知るために、僕たちは数日にわたり話していた」と明かしている。

「ミランは新契約をオファーしていた。彼らも素晴らしいクラブだけど、後方にはバルセロナがいた。僕は彼に迷わないように伝えたよ。移籍を望むなら、バルサに行くべきだと言ったんだ」

「バルセロナは素晴らしい街だ。だから、ケシエには夜遊びしないように気を付けろと言っておいた(笑) すべての試合で集中してプレーしなければならない。バルセロナでは、毎試合がテストのようなものだ」

バルセロナに移籍するクリステンセン
バルセロナに移籍するクリステンセン写真:ロイター/アフロ

ペドリ・ゴンサレス、ガビ、アンス・ファティ、エリック・ガルシア、ロナウド・アラウホ...。バルセロナには、将来有望なヤングプレーヤーとカンテラーノたちが揃っている。ケシエ(25歳)、クリステンセン(26歳)と彼らもまだ若い。

バルセロナは先日、アメリカの投資会社であるシックスス・ストリートと合意した。2億750万ユーロ(約285億円)の投資を受け、その代わりにリーガエスパニョーラのテレビ放映権収入の10%を25年にわたり同会社に譲渡する。再建に向け、少しずつ道を歩み始めている。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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