全国47都道府県中、一番お酒を飲むのはどこ?
冬から春へ、気温がだんだん上がってきて、ビールの美味しい季節になってきた。今月末からビアガーデンがオープンする店もある。
ところで、全国47都道府県、最もお酒を飲むのはどこだろう?
国税庁が毎年発表している、酒類販売(消費)数量表(都道府県別)の平成29年度のデータを見てみよう。
都道府県全体だと、東京、大阪、神奈川、愛知、埼玉の順で多い。人数の多い大都市圏が当然多くなる。
では、一人当たりではどうだろうか。
東京、高知、宮崎、秋田、青森の順で多い。
2019年1月25日付の食品産業新聞が報じている。
”いごっそう”の高知県
2017年時点での総務省家計調査からの分析だと、飲酒費用の高さは1位が高知県となっている。
「酒豪」や「頑固者(の男性)」などの意味で使われる、”いごっそう”の高知。
高知市内の「ひろめ市場」は、昼間から、お酒を飲む人で賑わっている。明るく開放的で、沖縄との共通項も感じる。
筆者の父親は、北海道から九州まで転勤を繰り返し、高知で念願の支店長になり、その5ヶ月後、46歳で亡くなった。「高知」と聞くと、ほろ苦い気持ちになる。
披露宴や宴会で多い食品ロス、酒類も多い
筆者がテーマにしている「食品ロス」。固形の食べ物に焦点があたりやすいが、実は飲料の食品ロスも多い。
外食を見てみると、披露宴や宴会での食品ロス(%)は2桁となっており、飲み残しが多くなっている。
農林水産省の食品ロス統計調査・外食調査(平成27年度)によると、結婚披露宴での食品別1食当たり食べ残し量をみると、「飲料類」が205.3gと最も多くなっている。
また、宴会での食品別1食当たり食べ残し量をみると、やはり「飲料類」が183.2gと最も多くなっている。
100%酒ではないだろうが、披露宴・宴会の席では出される酒の量も多いだろう。
固形の食べ物に比べると、飲料は、残しても「流しに流せばいい」と思うのかもしれない。が、飲料や酒を作っているメーカーや、その原材料を納品している企業や会社、原材料の元となる農産物の生産者から見れば、本来の目的である「美味しく飲んでもらう」ことをまっとうせずに、飲み残され、流されるのは、とてもせつない。
食育ならぬ「飲酒教育」は、禁止事項だけでなく、お酒を大切に美味しく飲むことも必要では
4月19日は食育の日。4(し)1(い)9(く)の語呂合わせ。
食育というと子ども向けのプログラムが多く、飲酒を始める20歳は、就職活動などで忙しく、食育は二の次になってしまっているように思う。
現状の教材に目を通すと、どちらかというと、アルコールの危険性をうたったものの方が多いように見える。禁止を啓発するほうが、需要が圧倒的に高いからなのであろう。
だが、どれほど手間や労力や思いをかけてお酒を作っているかということも、食育ならぬ「飲酒教育」の中で、もっと強調されてもいいと思う。
イタリアのベネツィアでは、地元の高齢者が、一人でカフェで新聞を読みながら、サンドウィッチを食べ、赤ワインを飲んでいた。適量をたしなむ。素敵な風景だと思う。
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