大河ドラマ『光る君へ』に登場、2023年からNetflixでアニメ『陰陽師』が配信開始、そしてこの4月から新作映画『陰陽師0』が公開と、今ちょっとしたブームといっても過言ではない安倍晴明（あべのせいめい）。地元といえる京都におけるゆかりの地といえば、やはり真っ先に思い浮かぶのが晴明神社です。

京都市上京区の晴明神社は、その名の通り安倍晴明を主神とする神社です。
一条戻橋の北西にあったという晴明の屋敷跡に鎮座しています。

1005年に晴明が亡くなると、時の一条天皇は晴明の偉業をたたえ、その屋敷跡に晴明をまつる神社を創建しました。
安土桃山時代には千利休の屋敷が隣接していたといいます。
晴明神社の入り口には「千利休居士聚楽屋敷趾」の石碑が建てられているそうですが、今回は見逃しました。

夢枕獏『陰陽師』のヒットにより聖地に

安倍晴明の活躍を描いた夢枕獏の伝奇小説『陰陽師』は1988年に第1作が刊行されて以来、シリーズ化され、漫画、ドラマ、映画、舞台と、さまざまなメディアミックスがされるヒット作品です。

中でも2001年に滝田洋二郎監督、野村萬斎主演の映画『陰陽師』のヒットによって安倍晴明ブームがおき、晴明神社には全国から参拝者が訪れるようになりました。

一の鳥居。五芒星でテンションがあがります。

一の鳥居横にある晴明神社の由緒。晴明が孝元天皇のご後胤とされています。

孝元天皇は実在が疑われる天皇ではありますが、そこは歴史のロマンです。

一条戻橋は1995年（平成7年）にかけ直されたのですが、それ以前の一条戻橋の部材を使用して作られた小さな一条戻橋が境内に設置されています。

なんだか愛らしい式神像。

壁にある晴明に関する逸話集で、晴明の不思議な力が紹介されています。
公開中の映画『陰陽師0』にも登場するものや、『光る君へ』に登場する藤原道長や花山天皇が関わるものもあって面白い。

樹齢300年をこえる、御神木の楠。

陰陽道では桃は厄除けの果物とされています。この桃に厄を撫でつけることで厄除けになります。

本殿の北には「晴明井」という晴明の霊力によって湧き出たとされる井戸があり、ここから湧く水は「晴明水」と呼ばれ、無病息災のご利益があるといわれています。

魔除けや厄除けのパワースポットである晴明神社。住宅に囲まれ、交通量が多い堀川通に面していますが、そこだけ違う空気が漂っているような雰囲気があり、お参りすると清々しい気分になれる不思議な空間です。