広島・宮島で平安時代のおでかけスタイル「壺装束」を体験。宮島を散策してきた
日本三景の一つ広島・宮島。2019年から長きにわたって行われていた世界遺産の嚴島神社の改修工事が終わり、宮島観光の楽しみも増えました。そんな宮島では、平安時代から鎌倉時代の公家や上流武家の女性が巡礼などの旅路を歩く時に着用していた「壺装束」を実際に着て宮島周辺を散策する体験ができます。
今回は、全国的にも珍しくなかなか体験することができない「壺装束」の魅力をご紹介します。
宮島で平安壺装束の体験
表参道宮島桟橋から徒歩約5分。嚴島神社の門前町、表参道商店街内にある平安衣裳・着物よそおい体験所「みやじま紅葉の賀」を訪れてみました。
場所は、宮島郵便局の斜め向かいに宮島伝統工芸品の杓子や名産品を販売するお土産屋さん「正木屋」があり、その2階に「みやじま紅葉の賀」があります。今回体験したのは、平安時代のおでかけスタイル「壺装束」を着て散策が楽しめる「平安壺装束」体験プランです。
体験所で一通り説明を聞いた後、着付室で着替えます。貴重品以外の上着やバッグなどの荷物は、体験所内にコインロッカーがあるので預けておくことができます。
着付室へ
「壺装束」に着替えるために着付室に入ると、カラフルな「袿(うちき)」がずらりと並べられ、豊富な種類の中から好きな文様を選ぶことができます。私たちはそれぞれこんな文様を選んでみました。
男性の平安装束も用意されているので、カップルや夫婦で一緒に体験することもできます。
着替えはまず初めに足袋を履き、次に肌着→長襦袢の順に着用します。基本は着付けをしてくださる方がいるのでご心配なく。
「壺装束」は普通の着物は異なり、帯を締めずにゆったりと着装するものなので、カーディガンや薄手のニット等の上からでも着膨れなく装う事ができます。
長襦袢を着たら袴を履きます。大分形になってきましたね。
そして、自分で選んだ文様の袿を着ます。この時、裾が引きずらないように袿を紐で絡げます。
袿を絡げた時に、壺の形に似ていることから「壺装束」と呼ばれているのだそう。着物や袿の文様は、1000年以上前の文様を再現しているとのこと。実際に羽織ってみると意外に軽いことに驚きます。
袿を着たら、仕上げに「掛け守」を首から下げ、肩には参拝者の印である赤い「掛け帯」を結びます。当時は首から下げているキャンディみたいな「掛け守」には、お守りや薬を入れていました。
最後に「市女笠」をかぶり完成です!いかがですか?着物とはずいぶん雰囲気も異なりますよね。
いよいよ宮島散策へ
着替えが終わったら、いよいよ宮島散策へ出かけましょう!散策は、1200年以上の歴史を持つお寺「大聖院」や名所「紅葉谷公園」などのお参りや散策を楽しめますが、基本は自由行動。ただし入れない場所もありますので、体験所のホームページや当日の説明で確認しましょう。
風情のある宮島の街を歩いていると、まるで平安時代にタイムスリップしたかのような気分を味わうことができますよ。
この日は、千畳閣の隣に建つ五重塔へ行きました。桧皮葺の屋根と朱塗りの柱のコントラストが壺装束姿とよく映えていますね。
紅葉谷にも訪れてみました。大勢で並ぶととてもフォトジェニックです。少し遠いですが時間があれば、改修工事が終わった「嚴島神社」を背景に写真を撮ることもできます。
「嚴島神社」と千畳閣の中には入場できませんが、神社を背景に外から写真を撮りになる事が可能になっています。
散策時間は着替えをしてから最大1時間30分。ぜひ広島旅行の旅の思い出に「平安壺装束」を体験してみてください。
【平安壺装束体験プラン概要】
平安衣裳・着物よそおい体験所「みやじま紅葉の賀」
住所:広島県廿日市市宮島町593 2階
電話番号:090-4650-1795(問い合わせ・予約)
受付時間:9:30~16:00
料金:期間限定特別体験料 6600 円(通常 8800円)
※時期によって値段が変更になる場合があります
定休日:不定休
公式ホームページ(外部リンク)
ひろしま公式観光サイト「Dive! Hiroshima」(外部リンク)
取材協力:広島県、みやじま紅葉の賀