記録的短時間大雨が頻発するおそれ 2つの高気圧の狭間で
9日(土)未明、大気の状態が非常に不安定となった影響で、雨雲が発達し、熊本県芦北町と球磨村付近で、1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降りました。
この記録的短時間大雨で、球磨村では土砂が道路を塞ぎ、14世帯が孤立する被害がありました。
記録的短時間大雨 7月のべ19回
各地で早い梅雨明けとなった以降も、局地的な大雨が続いています。7月以降、記録的短時間大雨情報は全国で、のべ19回発表され、すでに昨年7月を上回っています。
熊本県では5日も県北部の荒尾市で、1時間に120ミリ以上の猛烈な雨が降り、記録的短時間大雨情報が出されました。
東京都心は半月ぶりに涼しい朝
一方、今朝(9日)の関東地方は北からの冷たい空気の影響で、気温が下がりました。栃木県の奥日光では朝の最低気温が12.2度、東京都心では21.8度と先月23日以来の涼しい朝となりました。
この涼しさはつかの間で、またあの猛暑が戻ってくるのでしょうか。この先の天候を見通すために、今回は地上天気図に着目してみました。
こちらは5日間平均でみた地上天気図です。図の中央に日本列島があり、暖色は平年と比べて気圧が高いことを、寒色は気圧が低いことを示しています。
上図は関東や東海地方で、最高気温が40度を記録した頃の地上天気図です。高気圧が日本付近で強まった様子がわかります。
猛暑一転、不順な天候へ
一方、こちらは今後、18日(海の日)頃にかけての予想天気図です。日本付近の色が暖色から寒色に変わっています。
オホーツク海と南シナ海~フィリピン付近で、それぞれ高気圧が強く、この2つの高気圧に挟まれた日本付近は気圧が低く予想されています。
このため、40度近い猛烈な暑さはなく、今後も湿った空気や上空の寒気の影響を受けるでしょう。天気の急変が起こりやすく、不順な天候が続く可能性があります。
【参考資料】
熊本地方気象台:大雨に関する熊本県気象情報(第3号)、2022年7月9日