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メジャー軍団が11月に韓国で「100年ぶり」の親善試合 近年はKBOからMLB入りする選手も

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
2015年プレミア12決勝、アメリカ戦でのパク・ピョンホ(写真:ロイター/アフロ)

韓国野球委員会(KBO)は26日、メジャーリーグ選抜メンバーとKBOリーグの選手が対戦する「MLBワールドツアー コリアシリーズ2022」を11月に開催すると発表した。

「MLBワールドツアー」の一環として行われるこの対戦は、11月11日、12日にロッテの本拠地・プサンサジク球場で、14、15日にキウムの本拠地・コチョクスカイドームで各2試合、計4試合が行われる。

1982年にスタートしたKBOリーグは今年で40周年を迎える。その節目の年の記念行事として開催が決まった。韓国にプロリーグが発足して以来、メジャー選抜チームが韓国を訪れて試合を行うのは今回が初めてだ。

KBOによるとメジャー選抜の韓国での試合は、1922年以来100年ぶり。当時、メジャー選抜は日本と中国を訪れた後、韓国でも親善試合を行った。

韓国では1994年にドジャースのパク・チャンホが韓国人初のメジャーリーガーとなり、同投手の活躍によってメジャーリーグへの関心が高まっていった。その後、チェ・ヒソプ、キム・ビョンヒョンらがメジャー進出を果たすが、いずれもアマチュアから直接渡米した選手で、KBO出身者はいなかった。

2000年代初頭、メジャーでのKBO選手の評価は低く、00年にイ・サンフン(サムソン・リー、元中日)、05年にク・デソン(元オリックス)がメジャー出場を果たすも、いずれも日本(NPB)を経由してのメジャー入りだった。

KBOからメジャーに直行したのは13年にポスティングシステムを利用してドジャース入りした、リュ・ヒョンジン(現ブルージェイズ)が初。韓国人メジャーリーガー13人目にして、ようやく誕生した自国リーグ出身選手の登板をきっかけに、韓国でのメジャーリーグへの興味はより広まっていった。

以後、パク・ピョンホ(現KT)、キム・ヒョンス(現LG)、キム・グァンヒョン(現SSG)らのKBOのスター選手がメジャー入りし、後にKBOリーグに復帰。アマからメジャー入りし長年活躍した、外野手のチュ・シンスが昨年SSG入りするなど、韓国では以前にも増してメジャーが身近な存在となっている。

現在KBO出身ではリュ・ヒョンジンに加え、元キウムの遊撃手キム・ハソンがパドレスでプレーしている。

(関連記事:韓国の25歳遊撃手がメジャー入りしダルビッシュの同僚に キム・ハソンがポスティングでパドレスへ

11月の「MLBワールドツアー コリアシリーズ2022」に出場する選手などは、9月に発表が予定されている。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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