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「ホワイト案件」だと思って応募したら「闇バイト」だった!見分け方は? #専門家のまとめ

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:イメージマート)

「闇バイト」を巡る凶悪事件が相次いでいます。捕まるのはもっぱら末端の実行役であり、リクルーター役ですらも「闇バイト」で集められています。SNSで「ホワイト案件」だと思って応募したら実は「闇バイト」で、個人情報を握られて脅され、抜け出せなくなったといったパターンも目立ちます。長期の実刑となる重大犯罪であり、人生を棒に振らないためにも、「闇バイト」か否かの見分け方について、参考となる記事をまとめました。

ココがポイント

「『荷物を運ぶ仕事』『書類運搬』『送迎』などと投稿」「『ホワイトバイト』『闇バイト×』『リスクはない』と強調」
出典:読売新聞オンライン 2024/11/5(火)

「報酬が高すぎ」「連絡のやり取りがDM」「面接は通話のみで実際に会うことはない」「報酬の支払い方法は指定された場所に現金」
出典:デイリー新潮 2024/11/5(火)

「『楽で、簡単、高収入』を強調」「シグナルやテレグラムといった匿名性の高いアプリに誘導」
出典:オトナンサー 2024/10/28(月)

「個人情報を送信すると、バイトの詳細が伝えられます」「やめようとしても、送ってしまった情報をもとに脅されます」
出典:NHK 2024/10/23(水)

エキスパートの補足・見解

「闇バイト」の応募者の多くが金に困っているフリーターや学生、主婦、会社員らであり、年齢や性別を問いません。しかし、実行役として逮捕されるリスクが高い反面、ほぼ全員が約束どおりの報酬を得られておらず、首謀者にとって「使い捨ての駒」にすぎないという実態が明らかになっています。

いったん加担してしまうと、捜査や裁判では「犯罪だとは知らなかった」という弁解などとおりません。現にメディアの記者が「闇バイト」に応募する「おとり取材」を行い、リクルーター役と「シグナル」でやりとりしたところ、その段階できちんと「UD」すなわち特殊詐欺の受け子(U)や出し子(D)だとか、「タタキ」すなわち強盗の実行役であるなどと説明されています。

SNSでの怪しげな求人など最初から応募すべきではありませんが、たとえまともなアルバイトかもしれないと思って応募したとしても、「シグナル」など秘匿性の高いアプリでのやり取りを求められた段階で、間違いなく犯罪への加担を求める「闇バイト」だと断定できます。絶対に個人情報を伝えず、以後の接触を断ち、直ちに警察に情報を提供するとともに、その保護を求めるとよいでしょう。(了)

元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

元特捜部主任検事の被疑者ノート

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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