"ワークライフバランスが重要視”オランダ人に多く持つ柔軟な働き方とは?
オランダ在住のひかさん夫婦。愛犬の定期検診で獣医さんにやってきました。"多趣味”な獣医さんなのですが…。
獣医さんは、多才な趣味を持ちながら生き生きとした生活を送っています。彼女は趣味で柔道に打ち込み、実力も本物。日本での大会に参加するために来日したこともあるそうです。しかし、その柔道はあくまで趣味。もう一つの情熱、それが「陶芸」です。陶芸は、趣味にとどまらず副業として作品を販売し、アーティストとしての活動にも積極的に取り組んでいます。これは、まさにオランダ人が副業を通して趣味を仕事へと昇華させる好例です。
オランダでは、趣味を仕事にするケースが非常に多く、リタイア後もその副業を通じてゆったりとした活動を楽しむ人が少なくありません。こうした背景には、オランダ独特の働き方や経済、文化的な要因が深く関係しています。
まず、オランダでは「ワークライフバランス」を重視する文化が根付いています。フルタイムだけでなく、パートタイムやフレキシブルな働き方が一般的で、余暇の時間を充実させることが推奨されています。こうした柔軟な働き方のおかげで、多くの人が副業を持ちやすくなっているのです。空いた時間を活かして収入を得ることが社会的にも受け入れられ、むしろポジティブなものと見なされています。
さらに、オランダの労働法は比較的自由で、副業に対する制約が少ないこともポイントです。税制や社会保障制度も副業を持つ人にとって寛容で、特に個人事業主やフリーランス(オランダ語で「ZZP'er」)が活動しやすい環境が整っています。このため、必要な収入を複数の仕事から得るという考え方が自然と広がり、個々のスキルを最大限に活かすライフスタイルが実現しやすいのです。
オランダでは自己成長を重視する人が多く、副業を通して新たなスキルや知識を獲得し、キャリアアップを図ることが一般的です。リモートワークの普及やデジタルスキルの向上により、異業種での副業や遠隔地からの仕事も増え、選択肢はますます広がっています。こうして、副業がオランダ社会においてごく普通のものとなり、家族や友人の間でも理解やサポートが得やすい環境が整っています。副業に関する相談やアドバイスも、身近な人々から得られることが多いのです。
このように、趣味と副業を自由に楽しむオランダの人々は、まさに「人生を豊かに生きる」ことを実践しています。