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ヤクルト“1軍”と1対1の引き分け。横山5回0封、陽川ソロ!《10/10 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
横山投手は1回、“トリプルスリー”のヤクルト・山田選手をフォークで空振り三振!

きのう10日から『みやざきフェニックス・リーグ2015』は第2クールに入りました。ちょうど連休ということもあり、ヤクルト戦が行われた西都原運動公園野球場は大賑わい。そのお客様を沸かせたのがヤクルトのスターティングメンバ―です。CSファイナルステージに備えて1軍レギュラー陣が参戦すると事前に報道されていたものの、次から次へと出てくる顔ぶれを皆さんも楽しまれたことでしょう。私も写真を撮りまくりです!

試合前練習で素振りをするヤクルトの山田選手。
試合前練習で素振りをするヤクルトの山田選手。
4番・畠山選手の打席を、うしろから見るとこんな感じ。迫力満点ですね。
4番・畠山選手の打席を、うしろから見るとこんな感じ。迫力満点ですね。
ネクストバッターズサークルの雄平選手。
ネクストバッターズサークルの雄平選手。
7回オンドルセク投手、8回バーネット投手に続いて、9回はロマン投手でした。
7回オンドルセク投手、8回バーネット投手に続いて、9回はロマン投手でした。

この球場、スコアボードが新しくなったとはいえラインアップが表示されないんですよね。だから、その豪華さを目で確認できないのが残念でした。なので一応、スタメンだけ書いておきます。

1(中)上田

2(三)川端

3(二)山田

4(一)畠山

5(指)バレンティン

6(右)雄平

7(遊)大引

8(捕)中村

9(左)比屋根

なおこの試合の指揮は1軍の真中監督が執り、伊藤2軍監督はじめファームの選手たちは西都の室内施設で練習です。

なお試合前に「この球場は両翼95メートルだし、入るよね?」と言ったら「入りますね」と答えた陽川選手。ただし、これは自分が放り込むというより「そんなに広くないからホームランも出るだろう」ってな感じの淡々としたもの。でも打ちました!入りましたよ~。先発投手ではなく、2人目のルーキー・土肥投手からですけど。横山投手の堂々たる投げっぷりと、陽川選手のソロで先制した阪神。結果は9回に追いつかれて引き分けでした。

《フェニックス・リーグ》10月10日

ヤクルト- 阪神 (西都)

阪神 000 010 000 = 1

ヤク 000 000 001 = 1

※9回 引き分け

◆バッテリー

【阪神】横山-二神-筒井 / 小豆畑

【ヤクルト】杉浦(4回)-土肥(1回)-秋吉(1回)-オンドルセク(1回)-バーネット(1回)-ロマン(1回) / 中村-田中雅(8回~)

◆本塁打 陽川(土肥)

◆三塁打 緒方

◆二塁打 川端 森越、中谷

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]中:横田   (4-2-0 / 2-0 / 0 / 1)

2]指左:緒方  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

3]遊:北條   (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

4]左指:ペレス (1-0-0 / 1-1 / 0 / 0)

〃打指:荒木  (2-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

5]右:中谷   (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

6]三:陽川   (4-1-1 / 3-0 / 0 / 0)

7]一:西田   (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

8]二:森越   (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

9]捕:小豆畑  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

◆投手(打-振-球/失点-自責)

横山 5回 94球 (4-5-2 / 0-0)

二神 2回 25球 (0-1-0 / 0-0)

筒井 2回 39球 (2-0-3 / 1-1)

試合経過

7回、代わったばかりのオンドルセク投手(右)から二塁打を放った中谷選手(左)。
7回、代わったばかりのオンドルセク投手(右)から二塁打を放った中谷選手(左)。
しかし陽川選手に続き西田選手も空振り三振で「直球投げてと言うてください!」と。
しかし陽川選手に続き西田選手も空振り三振で「直球投げてと言うてください!」と。
8回、今度はバーネット投手まで出てきました。小豆畑選手は遊ゴロです。
8回、今度はバーネット投手まで出てきました。小豆畑選手は遊ゴロです。

まず阪神の打線を振り返ります。2回に先頭のペレスが四球を選んで、暴投で二塁へ進みますが、得点にはつながらず。3回に2死から横田がチーム初ヒットの中前打を放つも、盗塁失敗。4回まで杉浦に対して6三振を奪われ、1安打のみで無得点でした。しかし5回は2人目の土肥に代わり、1死ランナーなしで陽川がカウント1-1からの3球目をレフトへ!ものすごい角度で上がった打球は先制のホームランとなりました。さらに2死後、森越も左中間二塁打を放ったものの追加点はなく、1点止まりです。

6回は先頭・横田の右前打などで2死二塁として、代打・荒木が右前打。これでホームを狙った横田でしたが惜しくもタッチアウト。7回はオンドルセクから中谷が左翼線二塁打!しかし後続を断たれて無得点です。8回もバーネットに対し2死から緒方が中越え三塁打を放ちましたが、続く北條は投ゴロとなかなか追加点を挙げられません。9回はロマンの前に荒木と陽川が三振を奪われ、三者凡退。また2ケタ三振ですね。この日の打線は計12三振を喫しています。

タイトル画像と逆に、横山投手ではなく山田選手にピントを合わせたもの。
タイトル画像と逆に、横山投手ではなく山田選手にピントを合わせたもの。
6回に登板した二神投手とバレンティン選手。結果は遊ゴロでした。
6回に登板した二神投手とバレンティン選手。結果は遊ゴロでした。

変わって投手陣。先発の横山は1回、川端にショート内野安打、畠山の中前打で2死一二塁とするも無失点。アウトは3つとも三振です。2回は三者凡退。3回は2死を取ってから川端に打たれ、セカンド森越が弾いて打球は外野へ。その間に川端は二塁を陥れました。記録はセカンド強襲の二塁打です。山田には四球、続く畠山はショート内野安打で満塁としますが、バレンティンは三ゴロで無失点。4回は三者凡退、5回は1四球(と暴投)のみ。

ついで二神が登板して6回と7回をビシッと三者凡退!3人目の筒井は8回、1死から荒木への四球、森岡の中前打と横田のエラーで2死一、三塁としたピンチしのぎましたが、9回は1死から四球を与えた今浪の盗塁を許し、続く田中雅の中前打で今浪が生還…。2死後に暴投、さらに四球で一、二塁としますが、ここは荒木を二ゴロに打ち取ってサヨナラ負けは免れました。1対1の引き分けで終了です。

1軍フルメンバーと渡り合った横山

「こんな機会はないので、試せるところは試せたし、すごいバッターと対戦して勉強になりました」と振り返る先発の横山投手。5回を投げて4安打(うち二塁打になったものも含めれば内野安打が3本)で無失点という内容ながら、

手応えは「そんなにないです。結果は0点でも納得はしていません」と言います。試した部分とは?「ほぼ真っすぐを。でも空振りを取れなかったし、フォークもいいところで投げてみたけどダメだった」

ヤクルト1軍打線に5回無失点の横山投手!他球団の編成担当の方も絶賛でした。
ヤクルト1軍打線に5回無失点の横山投手!他球団の編成担当の方も絶賛でした。

バレンティン選手について「プレッシャーは別になかったです。攻めるところをおろそかにはしなかった。それが今日の中ではよかったと思います」と話していました。この日は94球と球数を要した横山投手。中4日での登板はどうかという問いに「思ったより投げられている。これからも投げられるよう、しっかり頑張りたい」と答えています。

久保投手コーチの話もご紹介しましょう。「横山、よかったですね。いい経験できたのが非常に大きい。ああいう相手はなかなか対戦できない。タイムリーだしねえ。でもそれで横山を先発にしたんじゃなく、中4日でたまたまです。5回までフルメンバーで来てくれたし、向こうもファイナルステージで横山が来ると思っただろうし、見せてくれてありがとうでしょうね。本人は終わって『ふぅ~』と言ってたけど(笑)。きょうの5イニングはよかったですよ」

続けて「二神もよかった。あと球種が1つ何かあればもっと。本人も承知の上で、フォークやチェンジアップを試してはいるけどね」と久保コーチ。そして「筒井と二神はきょう帰ります。代わって伊藤和がきますよ」とのことでした。

二神、筒井は打ち上げ

リリーフで畠山選手、バレンティン選手、雄平選手らをしっかり抑えた二神投手。
リリーフで畠山選手、バレンティン選手、雄平選手らをしっかり抑えた二神投手。

また、2イニングを完ぺきに抑えた二神投手。ナイスピッチングでしたねというと微笑みながら「一生懸命投げただけです」、ヤクルトの1軍打線には「相手に不足はないです」というコメントでした。「相手チーム自体は1軍メンバーで来ていたけど公式戦ではないので、やりたいことをやろうと」臨んだようです。このフェニックスでは「次の自分のステップアップを目指して、新しいフォークやチェンジアップを使ったりできた。きょうも投げました」と納得の表情。

「そういう、いい時間を過ごせたし、シーズン中にできないこともやれた」という収穫を持って、二神投手はきのう宮崎を後にしました。きょうからは鳴尾浜で練習。もちろん1軍で何かあった時はいつでも参戦できる態勢で「備えていますよ」と頼もしい言葉も。

筒井投手は9回に四球から1点を失い、制球を猛省しています。
筒井投手は9回に四球から1点を失い、制球を猛省しています。

最後に悔しい結末となってしまった筒井投手は「いい練習機会だったんですけど…力不足ですね。簡単にフォアボールを出したのもそうだし、相手は気持ちも乗ってきているチーム。そこでパシッといきたかった」と悔やみます。ピンチをしのいで0点だった8回も「フォアボールが絡んでいた。そこです。カウント負け。コントロールに苦しむピッチャーというのは、ベンチもね…。打たれたところより制球」と猛省。

筒井投手も、二神投手と一緒にフェニックスでの登板予定を終え、きのう帰阪してファームの練習に合流です。クライマックス、日本シリーズという可能性もありますが、本人は「目先だけでなく、来年に向けての課題を」と話していました。来年は宮崎でなく、そこの舞台に立っている筒井投手を見せてください。

野手陣も貴重な体験

先制ソロを打ってホームイン。藤本コーチと手を合わせる陽川選手です。
先制ソロを打ってホームイン。藤本コーチと手を合わせる陽川選手です。

陽川選手は先制ホームラン、予告?した通り入りましたね。打ったのは?「スライダー。インコースよりでした」。打った瞬間?「はい」。ここで清水選手が登場して「完ぺきでした」と代弁。さらに「最近、絶好調なんですよ。守備も」と、これまた代わりに述べてくれます。陽川選手は苦笑いでしたが、当たりは完ぺきだったみたいです。ただし他の打席は3三振で「1本打ったから、もう1本ってのはありましたけど…」と悔やんでいます。

8回2死、バーネットから中越え三塁打を放った緒方選手。左は中村コーチ。
8回2死、バーネットから中越え三塁打を放った緒方選手。左は中村コーチ。

緒方選手は、8回に登板したバーネット投手から、2死ランナーなしだったのが残念なセンターオーバーの三塁打!「たぶんカットボールだと思います。久しぶりにいい感触でした!」

2安打の横田選手は「最近打てていなかったので、結果を出すことを意識していました」というコメント。これからも「自分のスイングをするだけ」だそうです。練習試合を除けばこれがフェニックス初安打でした。

ヤクルトのリーグ優勝メンバーの打席を見て、いろいろと考えたという北條選手。
ヤクルトのリーグ優勝メンバーの打席を見て、いろいろと考えたという北條選手。

ヤクルトの1軍打線と相対した感想を、北條選手は「すごかった。川端さんの、追い込まれてからのバッティングとか打球の質とか。ボテボテじゃないでしょ?それに最後までボールを見ている感じとかも。山田さんは1打席目でフォークを空振りしたけど、次はフォアボールやった。いいとこに決まったフォークとか振らんかったり」と言っていました。相手ピッチャーだけでなく、打者にも注目していたんですね。きっとみんな、いい経験になったでしょう。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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