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オプト・アウトしてFAになったのは失敗!? 5年前に48本塁打、昨年は36本塁打の32歳がFAのまま

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホルヘ・ソレーア Jul 1, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年、ホルヘ・ソレーアは、マイアミ・マーリンズで36本のホームランを打った。オフに入ると、オプト・アウトの権利を行使し、3年3600万ドルの契約3年目を打ち切り、FA市場に出た。

 パワーを発揮したのは、前年の1シーズンだけではない。2019年は、カンザスシティ・ロイヤルズで48本塁打を記録し、本塁打王を獲得した。2021年も、30本塁打まで3本に迫った。フリースウィンガーというわけではなく、四球率は、過去8シーズンとも10%以上を超えている。年齢は、来月下旬に32歳の誕生日を迎える。

 外野の守備はうまくないものの、DHとしてなら、需要はあるように思える。マーリンズは、ソレーアにクオリファイング・オファーを申し出なかったので、他球団は、ソレーアと契約を交わしても、今年のドラフト指名権を失うことはない。

 まだ、球団が決まっていないのは、ソレーアの希望に見合った契約を提示する球団がないのだろう。オプト・インしてマーリンズに残っていれば、2024年の年俸は1300万ドルだった。ソレーアが求めているのは、複数年契約だと思われる。

 パワー・ヒッターを欲している球団からすると、ネックになっているのは、守備よりも故障歴かもしれない。短縮シーズンの2020年を除く、過去8シーズン中、出場100試合以上は、2015年(101試合)、2019年(162試合)、2021年(149試合)、2023年(137試合)の4度。あとの4シーズン、2016~18年と2022年の平均出場は、63.5試合に過ぎない。

 ソレーア以外のDH候補としては、J.D.マルティネスジャスティン・ターナーらがFA市場に残っている。昨年、J.D.は33本塁打と出塁率.321、ターナーは23本塁打と出塁率.345を記録した。それぞれの年齢は、36歳と39歳だ。この2人なら、どちらも、1000万ドル前後の1年契約で手に入れることができそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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