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41歳。上京して24年目。人に恵まれましたが、恋愛と結婚は難しいです~40歳からの婚活入門(42)~

大宮冬洋フリーライター
東京・下町の居酒屋にて。レモンチューハイで乾杯!(筆者撮影)

 40代、独身。孤独を感じることもあるが、周囲を見渡してみると自分と同世代の独身者もいるし、子育てを終えて次の生活を模索し始めた人もいる。肩を寄せ合えるパートナーを探すことが広義の婚活だとしたら、何歳からだって遅くはない。本シリーズでは、現代に生きる独身の40代の実生活と心情を聞き取り、筆者の考えを添える。同じ40代として、残りの人生を充実したものにするために。

***笹岡志保さん(仮名、41歳)の話***

土日は仕事で、朝と夜は自主トレ。プライベートは寝るだけの毎日だった20代

 専門学校に入るために上京してから24年目です。ずっと同じ「手に職」系のサービス業にいます。土日は仕事で、朝も夜も練習。プライベートは寝るだけの毎日だったので20代の頃は恋愛の機会はありませんでした。

 でも、人には恵まれました。尊敬する先輩には今でも仕事でお世話になり、プライベートでも毎年旅行に行ったりしています。

 結婚したいな、と思ったのは30歳で独立した頃です。たまたま東京にいた高校時代の同級生と一緒に婚活を始めました。婚活パーティーはたくさんの人がいて疲れるし、「いいな」と思った人とはなかなかマッチングしません。数カ月から1年ぐらいは婚活を休んで、また再開をしているうちに年齢を重ねてしまいました。

 子どもが欲しいという気持ちもあったので焦るけれど、「大勢での婚活は無理だな」と感じるようになりました。婚活パーティーはやめて、合コンや婚活サイト、アプリなどを試して今に至ります。

 会話が楽しくて見た目に清潔感があれば、50代の男性でも大丈夫です。でも、会話のキャッチボールすらできない男性が少なくないですよね。あまりにつまらないと、「この人と一緒にいるぐらいなら、同じ時間で働いて稼いだほうがいい」と思ってしまいます。

アプリで知り合った46歳のバツイチ男性。本当に独身なのかFacebookで調べました

 昨年の秋から3カ月間だけ付き合っていた人がいます。アプリで知り合った45歳の飲食店経営者の男性です。でも、お互いにタイミングが合わずに会えないことが続きました。会う約束を忘れられたりして不安が募り、「私、騙されているのかな」と軽く言ってしまったんです。その一言で彼は大いに傷ついたらしくて別れてしまいました。

 40歳を過ぎてからは子どもを産み育てることに自信がなくなっています。だから、趣味が合う人と結婚することを考えているんです。私は野球観戦が大好きなので、アプリで野球好きの人と知り合いました。46歳の会社員です。Facebookなどで調べる限りは、バツイチだけど独身であることは確かだと思います。

 会ったのは今年1月のことです。金曜日の18時半に会って一緒に飲みました。私は土曜日は朝から晩まで働いているので22時ぐらいには帰ろうと思っていたんです。でも、話が楽しくて居心地も良かったので23時過ぎまで飲んでしまいました。

 それからは(3月下旬の取材時まで)会えていません。体調などを理由に、会う約束を2回もドタキャンされたからです。連絡も遅いし、タイミングが合わない人とはもういいや、と思っていたけれど、最後にもう1度だけLINEを送ってみました。すると、「連絡がないのでもうダメなのかと思っていた」とすぐに返信が来たんです。何それ?と思いながら来週に会う約束をしました。これでまたドタキャンをされたら、彼との付き合いは終わりにしようと思っています。

飲み食いが大好きな笹岡さん。牡蠣やなまこ酢などで飲み交わしました(筆者撮影)
飲み食いが大好きな笹岡さん。牡蠣やなまこ酢などで飲み交わしました(筆者撮影)

***筆者より笹岡さんへ***

「あなたが紹介してくれる男性ならば、3回は必ず会います」が婚活のコツです

 サービス業の分野でフリーとして忙しく働いている笹岡さん。古い言葉ですが「気立てがいい」という表現がぴったりの女性で、接客には天性のものがあると思います。20代の10年間を修業期間に捧げて技術もしっかりしているのでしょう。先輩などにも恵まれて、仕事の面では充実している様子がうかがえます。

 ただし、サービス業は人が休んでいるときに働くのが基本。普通の会社員とは生活パターンが合いにくいですよね。年齢を重ねて、規則正しい生活を送りたくなると無理はしにくくなり、ますます出会いから遠ざかります

 婚活アプリは、相手の年齢や職業、趣味などを把握してからネット上でコミュニケーションをして、「気が合う」と感じた人と2人きりで会うことができます。その点では、婚活パーティーよりも効率的かもしれません。

 ただし、アプリでは独身証明書などの提出は義務付けられていないし、担当のカウンセラーがいるわけでもありません。笹岡さんがfacebookを使って相手の身上調査をしたように、「この人は本当に独身なのか。早めに結婚する気はあるのか」という大前提をまず疑わなければなりません。そのためにはアプリを使いこなして適切な相手を見つけ、そうでない人は早めに切り捨てるセンスと意欲のようなものが必要です。一人ひとりと誠実に向き合う傾向がある(もちろん美徳です)笹岡さんには向いていないかもしれません。

 そこで考えられるのは、信頼できる人による紹介です。尊敬できる既婚の友人知人に「結婚したいので誰か紹介してください」とお願いしましょう。コツとしては、「あなたが紹介してくれる男性ならば、3回は必ず会います」と伝えておくこと。あれこれ条件を付けると紹介してもらえないからです。その人の人脈と眼力を信用しましょう。また、最終的に断ったとしても気まずくなるのを予防するために、「3回は会います(4回目はないかも)」と伝えておくのです。

 友人知人による紹介だけでは心もとないと感じる場合は、結婚相談所の利用をおすすめします。お金はかかりますが、確実に独身で結婚願望がある人だけが集まる場所だからです。熱心なカウンセラーであれば、会員の中から良きお見合い相手を推薦してくれるだけでなく、お見合いからの交際(もしくは交際終了)を常にフォローして、結婚まで導いてくれます。参考にしてください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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