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元・読売のハードボーラーは、元・ヤクルトの内野手が監督を務めるチームへ移籍

宇根夏樹ベースボール・ライター
チアゴ・ビエイラ May 1, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月6日、アリゾナ・ダイヤモンドバックスは、ボルティモア・オリオールズからチアゴ・ビエイラを獲得した。

 オリオールズは、6月3日にビエイラをDFAとした。ウェーバー公示中のビエイラに対し、オリオールズが獲得の名乗りを上げた。

 ビエイラは、2020~22年に読売ジャイアンツで投げた後、昨年1月にミルウォーキー・ブルワーズとマイナーリーグ契約を交わした。そして、9月に4年ぶりのメジャーリーグ復帰を果たし、2試合に登板した。

 今シーズンは、開幕ロースターに入り、16登板で22.1イニングを投げ、25三振を奪った一方、13人を四球で歩かせ――そのうちの1人は申告敬遠――6本のホームランを打たれ、防御率は5.64を記録した。先月下旬にブルワーズからDFAとされ、トレードでオリオールズへ移った。

 昨年の夏、オリオールズは、オークランド・アスレティックスから藤浪晋太郎(現ニューヨーク・メッツ)を獲得した。藤浪もビエイラも、日本プロ野球を経験しているハードボーラーだ。制球難も共通する。

 藤浪の防御率は、移籍前の49.1イニングが8.57、移籍後の29.2イニングは4.85。奪三振率は9.30→9.71、与四球率は5.47→4.55と推移した。

 ビエイラがオリオールズのユニフォームを着て投げたのは、5月27日の1登板だけだ。11点リードの8回表から5人に投げ、1アウトも取れなかった。与四球、暴投、与四球、与四球に続いて三塁打を打たれ、その次の打者を四球で出塁させたところで降板した。この登板の防御率は∞、無限大だ。

 ダイヤモンドバックスがビエイラを手に入れたのは、オリオールズと同じく、ハードボーラーであることが大きな理由だろう。スタットキャストによると、今シーズン、ビエイラのシンカーと4シームの平均球速は、それぞれ、97.0マイルと97.7マイル。両球種とも、最速は100マイルを超えている。

 まだ、発表はされていないが、ビエイラは、26人のアクティブ・ロースターに入る。マイナーリーグ・オプションは、すでに切れている。ビエイラを起用するのは、トーリ・ルベロ監督だ。こちらは、2000年にヤクルト・スワローズで29試合に出場した。当時の登録名は、トレイ・ロブロだった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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