【ドラフトへ】ホークス4軍を13K完封!火の国サラマンダーズ宮澤「今年がラストチャンス」
福岡ソフトバンクホークスとプロ野球独立リーグ「ヤマエグループ 九州アジアリーグ」の定期交流戦(同リーグ公式戦)が8月15日に福岡県筑後市のタマホームスタジアム筑後で行われ、ソフトバンク4軍と火の国サラマンダーズが対戦した。
【8月15日 交流戦 タマスタ筑後 342人】
火の国 `300000010 4
ソフトバンク `000000000 0
<バッテリー>
【火】○宮澤――有田
【ソ】●松本晴、髙橋純、渡邊佑、飛田――加藤晴
<本塁打>
【火】中山4号
<スタメン>
【火】D松本 5仲村 8アルバレス 9中山 7小林 4瀬井 6晴樹 2有田 3高山
【ソ】8舟越 6川原田 7シモン 9笹川 3佐藤航 Dオスーナ 4山下 2加藤晴 5ヘラルディーノ
<得点経過>
1回表【火】中山が左越えの先制3ラン(ソ0-3火)
8回表【火】0アウト一、二塁からバントを捕手が三塁へ悪送球。二走が生還し追加点(ソ0-4火)
<トピックス>
・火の国・中山翔太(元ヤクルト)はここ5試合で3本塁打と突如量産体制に。「軸足にしっかり力をためる打撃をやり始めてから、急にホームランが出始めた」。
・ソフトバンクの先発、ルーキー松本晴は4回54球6安打1三振1四球3失点。
・ソフトバンク・髙橋純平は2回無安打無失点も4与四球が課題。
・ソフトバンクの16歳、オスーナが6月19日の左肩負傷から復帰戦。3打数1安打2三振
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宮澤怜士、九州AL3年目で意外な初完封
火の国サラマンダーズの宮澤怜士投手がリーグ通算25勝目にして初完封勝利を飾った。
若鷹打線から13奪三振をマークする快投だった。初回2アウトの3番・シモンから、2回の笹川吉康、佐藤航太、オスーナまで4者連続三振を奪うと、5回まで毎回奪三振。また、6回までは1安打に封じた。
7回は1アウト一、二塁から連続三振でしのぎ、8回も1アウト二、三塁とピンチを背負ったが、力を振り絞って笹川を三飛、佐藤航を右飛にしとめた。
最終回は先頭の代打・中村宜からこの試合13個目の三振を奪うと、後続の2人も打ちとって投球数121球での完封勝利を達成した。被安打は5、与四球は2の内容だった。
馬原監督の助言
宮澤は今季8勝目。リーグ最多勝レースで単独トップに立ったが、自身8試合ぶり、6月23日以来の白星だった。
勝ち星から遠ざかる中、前回登板はリリーフだった。馬原孝浩監督は「ローテから外す意味だった」と言う。その中でアドバイスも送っていた。
「悪い時の宮澤になっていた。彼の良さは吹き上がるようなストレート。それが、リリースポイントを上から叩こうとしすぎて打者から見やすい球になっていた」
宮澤もその修正に取り組んだ。さらにインコースを強気に突く原点にも立ち返った。
「監督に言われたことを意識しながら、いつもは変化球を投げるような場面でも直球を投げ込みました。ストレートで三振をかなり多くとれたのは自信になります」
この日の最速は148キロをマーク。中盤は球速こそ落ちたが、球威は変わらずに三振の山を築いた。
リーグ初年度に投手3冠
宮澤はリーグ初年度の21年に防御率2.27、8勝、92奪三振で投手タイトル三冠に輝いた。身長166cmと小柄だが、九州アジアリーグを代表する右腕でその年にはNPB球団からドラフト調査書も届いた。
現在もドラフト指名の夢をあきらめていない。今季は苦しい時期もあったが、持ち前の制球力をさらに向上させるなど成長の跡も見せている。
「もう25歳。今年がラストチャンスだと思っています」
昨年秋にはみやざきフェニックスリーグに独立リーグ機構選抜の一員として参加し、オリックスを相手に9回2失点完投するなど3試合に登板して防御率1.04の成績も残した。
NPBのオールドルーキーとなるべく、残された期間でさらなる猛アピールを続けていくと意気込んだ。
(※写真はすべて筆者撮影)