ブレイクした若手をセンターに擁する球団が、秋山翔吾に興味を示しているのはなぜ?
「日本人のセンター、ショウゴ・アキヤマはダイヤモンドバックスにフィットするかもしれない」11月12日、アリゾナ・リパブリックのニック・ピコーロは、こんなタイトルの記事を発表した。
一見すると、アリゾナ・ダイヤモンドバックスが、センターを守れる外野手を加える必要は、ないように思える。
今シーズンは、ケテル・マーテイとジャロッド・ダイソンの2人が、センターのポジションを分け合った。ダイソンはFAになったが、マーテイは5年2400万ドルの契約2年目が終わったところだ。昨シーズンの14本塁打&OPS.768から、今シーズンは32本塁打&OPS.981とブレイク。MVP投票では4位に入った。マーテイは守備も優れ、年齢は若い。10月に26歳の誕生日を迎えたばかりだ。
にもかかわらず、ダイヤモンドバックスは、秋山翔吾に興味を示しているという。
もともと、マーテイはミドル・インフィルダーだった。2017年までは主に遊撃手としてプレーし、2018年は二塁を定位置とした。センターへ移ったのは、昨オフにA.J.ポロックがFAとなり、ロサンゼルス・ドジャースへ去ったためだ。今シーズン、マーテイの先発出場は、センターが89試合、二塁が45試合、遊撃は5試合だった。
一方、今シーズンのダイヤモンドバックスでは、マーテイを含む4人が、二塁手としてそれぞれ25試合以上に先発出場した。そのうち、ウィルマー・フローレスは球団オプションを却下されてFAに。他の2人は球団に残っているが、イルデマーロ・バーガスは控えのユーティリティに過ぎず、エデュアルド・エスコバーは正三塁手だ。
センターに秋山を加えれば、マーテイを二塁に戻して固定できる。
今オフのFA市場に、レギュラーとしてセンターを守れそうな外野手は、ほとんど見当たらない。ブレット・ガードナーは数少ない一人だが、ニューヨーク・ヤンキースと再契約を交わす可能性が高そうだ。ダイソンのシーズン本塁打は2019年の7本が最も多く、OPS.700以上も2016年(.728)の1度しかない。マーセル・オズーナがセンターを守っていたのは、2016年までだ。
また、秋山はメジャーリーグでプレーしたことがなく、来年4月に32歳を迎える。契約はそれほど高額にならないだろう。ダイヤモンドバックスに限ったことではないが、仮に期待外れに終わったとしても、金銭的な損失はそう大きくない。