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日本代表リーチ マイケルキャプテン、オーストラリア代表戦&以後をどう見る?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
好ランナー。持ち前の推進力でブレイクダウンをリードしたい。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

 4年に1度のワールドカップ日本大会を2年後に控えるラグビー日本代表は11月4日、神奈川・日産スタジアムでオーストラリア代表と戦う。3日には試合会場での前日練習があり、リーチ マイケルキャプテンが報道陣に意気込みを明かした。

 オーストラリア代表は、2015年のワールドカップイングランド大会で準優勝した強豪だ。今年9月には世界ランク1位のニュージーランド代表(オールブラックス)を撃破。就任3季目を迎えるマイケル・チェイカヘッドコーチのもと、成果を残している。

 かたや同大会で歴史的3勝を挙げた日本代表は、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチのもと肉体強化や若手の起用、防御システムの再構築に着手している。

 キャプテンを務めた同大会を最後に今年5月まで代表を離れていたリーチは、6月のツアーでカムバックするとこの秋から現職にも復帰。置かれた状況を、前向きかつ整理された言葉で説明する。この日はフランカーとして出場するオーストラリア代表戦を展望しながら、日本大会までのロードマップについても言及する。

 以下、共同取材時の一問一答(編集箇所あり)。

――相手のメンバーへの印象は。

「キーの選手が何人かいないけど、それでも強い。オールブラックスにも勝っているし、いい流れにあります。メンバーは少し変わっているけど、皆、ワールドカップのスコッドに入りたい(だろう)から、いい頑張りをすると予想していました」

――日本代表は10月29日、JAPAN XVの名義で世界選抜と対戦(福岡・レベルファイブスタジアム)。27-47と敗れました。今回の試合に向け、何を改善しましたか。

「まずはブレイクダウン(肉弾戦)をしっかりとやらなくてはいけない。そして、アタックからディフェンスに切り替わる瞬間の反応。ここはよくなってきた」

――ブレイクダウンといえば、対するフランカーのマイケル・フーパーキャプテンは密集でのボール奪取に長けています。

「フーパーは世界のなかでもすごい7番(オープンサイドフランカー)。彼のことは意識してやらなくてはいけないです」

――フーパーのような選手を引きはがすうえでは、「2人目」と言われるサポート選手の動きが重要になりそうですか。

「もちろん2人目の寄りも大事ですが、一番はボールキャリアがどれだけファイトできるか。スペースを狙って(走り込み、相手に捕まれば)そこからファイトする…。そこへ、2人目の寄り…。ブレイクダウンに3、4人もかけると、日本代表のアタックはできなくなる。もし、ブレイクダウンがうまくいかなかったら、よりアンストラクチャーなゲームプランを作らないといけないかなと」

――防御について。特に個々のタックルのスキルはどう向上しましたか。

「1週間、毎日ディフェンス、タックル、ブレイクダウンの練習をした。だから意識はあると思います。あとは、(当日に)タックルしたいかどうか。皆は、タックル、したい。このチームにはいいディフェンダーが揃っています」

――ジョン・プラムツリー新ディフェンスコーチが唱えるシステムはどこまで浸透しましたか。

「1回、1回のセッションでかなり成長できた。いい感じになってきています」

――鋭く前に出続けるとあって、持久力が必要なシステムです。

「いまは日本代表のフィットネスが(目標値より)30パーセント足りていない。それがついてきたら、ディフェンスも、アタックも、目指しているラグビーももっと良くなる。きょうはいまの状態で頑張るしかない」

――防御システムの完成度が高まれば、ワールドカップ本大会ではいい戦いができそうですか。

「かなり戦えると思います。スクラムも戦えるスクラムになってきたし、あとは、モールをもっとよくできれば。そして、ディフェンスは自分たちの鍵になると思います」

 フィットネス強化に難儀した背景には、これまでの国内スケジュールがある。リーチが「トップリーグ、サンウルブズ(スーパーラグビーのシーズン)もあって、どこで強化するかは難しい」と認めるように、試合続きのなか腰を据えた体力強化がしづらかった。今後は日程の見直しもなされるが、4日のオーストラリア代表戦は「いまの状態で頑張る」。では、どう頑張るか。

「気合い、です。あとは、キックを上手く使って、無理なプレーはしない」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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