老猫に見られる特徴7選!猫も年を取るといろいろ変化が現れます…
猫も人と同じように「シニア期」を迎えます。シニア期を迎えた猫は「シニア猫」「老猫」と呼ばれ、これまでもっていた「成猫らしさ」が薄まっていく猫が多いです。しかし老猫には老猫の、特徴的な「老猫らしさ」があるもの。
そこで今回は老猫の特徴7つを紹介します。もうすぐシニア期に突入する猫の飼い主さん、老猫の飼い主さん、必見です。
※老猫の特徴は全ての老猫に当てはまることではありません。「老猫になるとこういうこともあるんだな」と思って読んでいただけると幸いです。
1.猫の「シニア期」はいつから?
2021年の全米動物病院協会と全米猫専門医協会が発表したガイドライン上では、猫のシニア期は10歳以上とされています。
10歳といえば、人で言うとだいたい56歳。もうすぐ還暦を迎える年齢です。なお11歳になれば猫も還暦を迎えます。
猫の年齢は人間の年齢に比べて非常に速く進むため、シニア期に入ると多くの変化が起こります。人も年を重ねると、若いときのように体を動かせなくなるといった自覚症状が現れますが、老猫も同じようにさまざまな変化があらわれるのです。
2.老猫の特徴7選
それでは老猫になるとよく見られる、成猫とは異なる「特徴」を紹介します!
2‐1.だいたい寝てる
老猫の飼い主のほとんどが、「愛猫がよく寝ている」と感じているようです。わたし自身今年14歳になる老猫2匹と暮らしてますが、2人とも良く寝ています。食事やトイレの時間以外活動していないのでは?と思うくらいです。
成猫の平均睡眠時間は10〜16時間ですが、老猫になるとさらに長くなり、18〜20時間以上寝ることも少なくありません。これは体力の衰えによって活動量が減ったことと、体力が低下したため「無駄な体力を使うまい」という本能的な行動ともいわれています。
一日中寝ている老猫は、飼い主としては心配になることもあるでしょう。しかし必ずしも病気のせいとは限らず、老猫はゆっくりと休んで体力を温存・回復することを必要としているのです。
2‐2.毛艶が変化する
年を重ねるにつれて愛猫の毛並みや、毛艶に違和感を覚える飼い主も少なくありません。サラサラでふわっとした毛並みではなく、パサついて毛割れを起こしている、もしくはベットリしてるなんてことも。
老猫の毛のパサつきやベットリ感はあるあるです。若いときのように頻繁に毛づくろいする体力も低下し、毛づくろい自体の力も弱まって上手に毛並みを整えることが難しくなったため、毛艶に変化が現れるのです。
また体が衰えたことで栄養の消化吸収する能力も低下し、皮膚や被毛に十分な栄養が届かないことも原因にあります。
もし愛猫の毛艶に違和感を感じたら、1日1回~2日1回くらいの頻度でブラッシングをしてあげるといいですよ。
2‐3.性格が穏やかになる
老猫になると性格が変化する猫は多いです。頑固になったり、怒りっぽくなったり。しかしそのなかでもよく聞かれるのが「性格が丸くなった」「穏やかになった」「甘えん坊になった」といった性格の変化です。
なぜ性格に変化が現れるのかは不明ですが、体力が低下し無駄に体力を消耗するのを避けているため、穏やかになるのではともいわれています。
実際に我が家の愛猫も、成猫のころは人間と一定の距離を置き膝の上に乗ってくることはありませんでしたが、シニア期に入ってからはよく膝の上で寝るようになりました。温かくて気持ちよく休息できる場所とでも思っているのでしょうか…?
2‐4.周囲への興味をなくす
猫は優れた動体視力をもつため、周囲の物に興味を示しやすい動物です。しかし老猫になると、周囲への興味をなくす猫もいます。我が家の猫は猫じゃらし程度では無反応です…。
なぜ興味がなくなるのかは、次の理由が考えられます。
・体力低下
体力が衰え、動き回るものを捕まえようといった行動が億劫になる。
・感覚の低下
視力や聴力などの感覚が衰え、周囲の情報をうまく受け取れなくなる。
・認知機能の低下
認知機能が低下し、周囲の状況を理解しづらくなることがある。
老猫が周囲に興味をなくしおもちゃでほとんど遊ばないときは、無理して活動させる必要はありません。しかし極度の運動不足は避けなければならないので、短時間でも1日一回は猫の特にお気に入りのおもちゃで運動を促してあげましょう。
2‐5.口臭・体臭がきつくなる
老猫になると口臭と体臭がきつくなる猫も多いです。
口臭の主な原因は歯周病といった口腔疾患。長年蓄積された歯石が原因となって口臭を発生させます。
本人が痛がったりしていない限り飼い主も病院に連れて行くことが少なく、連れて行っても、全身麻酔が必要な歯科処置を積極的に勧められることも少ないです。
我が家の猫の口臭がひどく、動物病院で相談しましたが「痛そうではないし、14歳で全身麻酔のリスクを考えたら経過観察でいい」といわれました。
※なお口臭の原因は口腔疾患以外にも、糖尿病や消化器疾患といった内臓疾患でも起こりえます。口臭だけでなくほかの症状や、気になることがあれば早めに獣医師に相談しましょう。
また体臭の原因は病的なものを除くと主に「グルーミング(毛づくろい)不足」です。もちろん老猫になっても体臭がしない猫もいますが、病気はないけど老猫でなにか臭うなと思ったら毛づくろいをしないせいと思ってください。
2‐6.白髪があらわれる
人も年を重ねると白髪が現れるように、猫のなかにも白髪が出てくる子がいます。
人だと頭髪や眉毛が顕著に白くなったりしますが、猫は全身の被毛というよりは耳・口・目の周りなど顔を中心に白くなっていく傾向があります。
猫の白髪の原因は、人の白髪とだいたい似ています。メラニン色素をつくったりする働きのある「メラノサイト」の機能が、年齢とともに低下するためです。
猫ではシニア期に突入する前の7歳(人年齢44歳)くらいから、白髪が現れる猫がいます。白髪があらわれると「愛猫が年をとったな」と感じる飼い主さんも多いようです。
2‐7.粗相をする
老猫になると、トイレを失敗してしまう猫も珍しくありません。このように、猫が粗相をしてしまう理由は、次のようにさまざまあります。
・腎臓の機能が低下し尿量が増えるため
猫は少ない水分を無駄にしないように、尿を濃縮する機能が腎臓に備わっています。
しかし年齢とともに腎臓の濃縮機能が低下すると、尿量が増えてトイレが間に合わないことがあります。
・関節炎などで体を動かしにくい
人でも加齢につれて足腰が弱るように、老猫も足腰にガタがきます。関節炎などを起こしていると、痛みも伴いトイレまでいくのもできなくなってしまうケースも…。
このような状況が疑われるときは、獣医師に相談するのはもちろん、トイレを低いものにしたり、出入りしやすいタイプへの買い替えを検討しましょう。
・認知症が原因でトイレが認識できなくなった
猫にも認知症があります。その割合は15歳を超えると49%、約半分の割合で認知症を発症するといわれています。
認知症になると、猫がトイレをトイレと認識できずに粗相をしてしまうのです。
残念ながら認知症自体を完治させることはできませんが、認知症に合わせた生活環境を整えて、獣医師と連携しながら猫のサポートをしてあげます。
3.まとめ
老猫になると、見た目や行動にさまざまな変化が見られるようになります。それは愛猫が年をとったことを実感できて、愛猫との長い歩みを感じられる要因ともなるでしょう。
しかしそういった変化は年齢だけでないことも多いもの。そのため気になる症状があれば、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
成猫とはまた違った特徴をもつ老猫のかわいさをたっぷり楽しんで、愛猫との思い出を増やしていってくださいね。